2011 Fiscal Year Research-status Report
自立的な機能訓練を支援するリハビリテーション機器に関する研究
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23700667
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 順 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 助教 (50315173)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 筋電位計測 |
Research Abstract |
人間の肘関節に装着する可変剛性関節駆動モジュールに関しては、申請当初は肘関節に直接装着させることを計画していた。しかし、基本設計の段階で検討した結果、安全性を確保するために直接装着することは取りやめ、ユーザーとリハビリテーション機器が接触するだけの方法を採用することにした。この方法の場合、ユーザーはリハビリテーション機器からの力が大きく危険と感じた場合には、即座に機器から離れて危険を回避することができる。 筋肉の緊張度を予測するシステムの開発に関しては、できる限り安価に、上腕二頭筋および上腕三頭筋の筋電位信号を計測するシステムを設計、製作することを目指した。製作したシステムは、筋電センサー、ハイパスフィルタ、増幅器、マイクロコントローラ、PCからなる。筋電センサーには取り扱いが簡便な乾式2極のものを使用した。筋電センサーの出力電圧はその振幅に比べて大きな直流成分を持っているため、そのままでは筋電位信号を精度良くマイクロコントローラのAD変換器で読み込むことができない。そこで、AD変換器で読み込む前に、筋電センサーの出力電圧を、オペアンプで構成したハイパスフィルタと非反転増幅器を通すことで問題を解決した。読み込まれた筋電位信号は、マイクロコントローラにUSBで接続されたPCに1msの周期で送信される。そのPCでは受信した筋電位信号パワースペクトルをFFTで計算するとともに、筋電位信号の時系列とそのパワースペクトルを表示する。筋電位センサーやマイクロコントローラを入念に選択し、マイクロコントローラとPCのソフトウェアを開発したことにより、従来の筋電位計測システムに比してかなり安価にシステムを構築することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
リハビリテーション機器の基本設計方針を転換したことと、筋電位計測システムの実装が予想以上に時間を要したことが遅れている原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度参加予定としていた国際学会が隔年開催で今年度は開催されなかった。次年度はその国際学会に加えていくつかの学会に出席することを計画している。 被験者および実験補助者に協力を仰ぎ、完成した筋電位計測システムを用いて実際の筋電位データを取得する。そしてそのデータに基づき、予測アルゴリズの開発を進める。 可変剛性関節駆動モジュールについては、プロトタイプ製作のための装置を揃えたため、製作時間の短縮が期待できる。また、別の研究で使用していた実験装置を再利用することで迅速に開発を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度参加できなかった国際学会の参加費や旅費を次年度に使用したい。 リハビリテーション機器の製作に必要なものはほぼ購入済みであるので、次年度は主に、被験者や実験補助者への謝金、成果発表のための旅費等に使用する。
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