2012 Fiscal Year Annual Research Report
歩行速度に合わせて足関節の運動を自動調節する制御型短下肢装具
Project/Area Number |
23700675
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
谷田 惣亮 佛教大学, 保健医療技術実習センター, 講師 (20584494)
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Keywords | 機械力学・制御 / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究の目的は,開発してきた足関節のブレーキトルクをインテリジェントに制御可能な制御型短下肢装具(i-AFO)に対し,歩行速度に合わせた適切なブレーキトルク制御入力をすることにより,歩行速度に応じた最適な歩容の制御を実現することである.そのため,本研究では以下の項目について順に研究を実施した. (1)健常者歩行における歩行速度と足関節動作の関係を計測する.(2)上記(1)の結果から標準モデルを作成する.(3)i-AFO用の調整可能なアタッチメントを開発する.(4)上記を使用することで複数の健常者にi-AFOを装着し,提案する制御モデルの有効性を検証する.(5)上記モデルを障害者により検証する. 2年計画の2年目にあたる平成24年度は,(4),(5)を実施した.(4)では,開発した調整アタッチメントを組合せたi-AFOを複数の健常被験者に装着し,提案する制御モデルの評価を行った.また,(1)についての追加実験から,歩行速度と各種パラメータ(歩行周期,歩幅,底屈角速度)の関係を明らかにし,それらをモデル化することで歩行速度を推定し,その推定歩行速度をもとに足関節を制御する方法を構築した.(5)では,足関節弛緩性麻痺患者を対象にi-AFOを装着させて各歩行速度で歩行させ,臨床評価により有効性を検証した.制御は構築した歩行速度を推定する方法を用いた.その結果,歩行周期から歩行速度を適切に推定でき,歩行速度に応じた足関節のブレーキトルク制御が実現でき,歩行改善につながった. 開発してきたi-AFOは各歩行状態で足関節トルクを即座に調整可能なことから,歩行機能向上に有用な装具と考えられる.今回,歩行速度に応じて自動的に足関節を底屈制御する制御方法を構築し,障害者においても有効性が実証できた.i-AFOおよび制御方式により,歩行速度に応じた制御が可能となり,より応用的な歩行補助が実現できた.
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Research Products
(5 results)