2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23700686
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
飯田 悠佳子 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童思春期精神保健研究部, 流動研究員 (30548277)
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Keywords | 睡眠の質 |
Research Abstract |
本研究では,実態調査と実験的運動介入を行い,身体活動が子どもの睡眠の質にどのような影響を及ぼすかを包括的に検討することを目的としている.今年度は,主に昨年度までに実施した調査・実験の解析を進め,考察及び報告を行った.運動習慣を有する中学生男子を対象とした運動介入実験の結果,6名について夜間睡眠ポリグラフィの有効な睡眠データを得ることができた.睡眠ポリグラフィが示す睡眠構造はいずれも,運動条件と安静条件の間で有意な差はなかった(睡眠効率:運動条件92.1±6.5%,安静条件93.1±4.5%,睡眠潜時:運動条件23.6±22.4min,安静条件13.8±12.8min,REM潜時:運動条件152.7±22.3min,安静条件103.8±31.7min,REM:運動条件96.8±31.4min,安静条件97.5±32.3min).一方,起床直後の選択反応課題における誤反応は運動条件で多くなる傾向がみられた(運動条件6.75±3.6回,安静条件4.29±1.9回,p= .035).これらの結果より,日中の運動(就床時刻の約6~7時間前における,30分間のペダリング運動(中強度))による生理学的変化は,夜間の睡眠構造には明確な影響をもたらなさないものの,翌朝の起床時覚醒度を低下させる可能性が考えられた.一方,これらの結果についての議論を経た結果,一定の結論を導く上には,被験者数の増員と追加解析が課題であると考えられた.本実験は対象児の夏休み期間中に実施するという条件制限があるため,次年度に追加の測定及び解析を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
東日本大震災の影響を鑑み,対象児への協力要請を自粛したこと,研究代表者の所属先異動等に伴い予定していた被験者からの協力を得ることが難しくなるなどの経緯より,進捗がやや遅れ,計画を一部修正しながら実施してきた.加えて,平成25年度にこれまで得られた結果について学会発表をし,議論を経た結果,一定の結論を導く上で被験者数の増員と追加解析が課題として明らかとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,被験者の確保に努め,追加実験及び解析を行う予定である.また,これまでに実施した調査及び実験結果について,包括的な分析及び考察を行い,その成果を報告していく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究は東日本大震災の影響を鑑み,対象児への協力要請を自粛した経緯もありやや進捗が遅れ,被験者数など計画を一部修正し実施してきた.平成25年度に,これまで有効データとして得られた6名分の睡眠構造の差異(運動/安静)について学会発表し議論を経た結果,結論を導く上で被験者数の増員及び追加解析の必要性が課題として明らかとなった.本測定は対象児の夏休み中に実施するという条件制限があることからも,次年度に追加測定及び解析を実施する予定である. 次年度において,実験的運動介入による睡眠ポリグラフの追加実験・解析を行い,それらを含めて得られた研究成果の発表を実施する予定である.従って,未使用金額はそれらの経費(追加測定にかかる被験者及び検者謝金,消耗品の購入,成果報告にかかる諸費用)として使用する予定である.
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Research Products
(1 results)