2011 Fiscal Year Research-status Report
有限要素解析を用いたカーブおよび無回転キックにおけるボール挙動シミュレーション
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23700744
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
石井 秀幸 立教大学, コミュニティ福祉学部, 助教 (40534730)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | バイオメカニクス / 有限要素解析 / サッカー / キック / インパクト / ボール挙動 |
Research Abstract |
3次元形状スキャナを用いて計測した裸足およびシューズの形状データを有限要素解析ソフトウェアAbaqusにインポートし,裸足とシューズの境界を保持した状態で融合して足部の有限要素モデルを作成した.裸足部,足部内関節部,シューズアッパー部,シューズアウトソール部には,文献値に基づき,個別の材料特性を割り当てた.足関節には,実験の動作解析から算出した値に基づき,関節間力と関節トルクを荷重した.ボールは中空モデルとし,シェル要素で構成した.シェル要素はパネルと空気袋からなる複合材とし,文献値に基づき,個別の材料特性を割り当てた.ボール内部には,実験で使用したボールと同じ内圧の空気の入った流体空洞を定義した.実験のインパクト直前における足部の位置に足部モデルを配置し,初期条件として,足部モデルに,実験のインパクト直前における足部質量中心速度と足部角速度を与えた. Abaqusを用いて,インパクト局面の有限要素解析を行い,足部モデルおよびボールモデルの節点の位置座標を,実験の撮影速度と同じ頻度で出力した.インパクト中については,足部の各点およびボール中心の軌跡の有限要素解析結果を実験結果と比較し,インパクト直後については,ボール発射角,ボール速度およびボール回転の有限要素解析結果を実験結果と比較できるようにプログラムを作成した.このように有限要素モデルの妥当性を確認し,有限要素モデルを修正できる段階まで研究を推進することができた. 本研究を推進することで,ボール発射角,ボール速度,ボール回転を3次元的に精度よくシミュレーションできるようになる可能性がある.多様なパターンのインパクト,シューズやボールの材料特性を変化させたインパクトのシミュレーションを行い,インパクトとボール挙動の関係を明らかにすることができれば,選手のパフォーマンス向上,さらには製品開発にも寄与する可能性がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多様なパターンのインパクト,シューズやボールの材料特性を変化させたインパクトのシミュレーションを行うための足部およびボールの有限要素モデルを作成した.現在,有限要素解析結果を実験結果と比較して有限要素モデルの妥当性を確認し,有限要素モデルを修正している段階であり,ほぼ当初計画した段階まで研究が進展していると考えた.
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Strategy for Future Research Activity |
有限要素モデルを修正して,ボール挙動(ボール発射角,ボール速度,ボール回転)を3次元的に精度よくシミュレーションできるようにする.その後,多様なパターンのインパクト,シューズやボールの材料特性を変化させたインパクトのシミュレーションを行い,インパクトとボール挙動の関係を明らかにする.研究成果を論文投稿する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度の直接経費請求額のうち「次年度使用額」は78,201円,平成24年度の直接経費請求額は900,000円,これらの合計は978,201円である. 平成24年度は,有限要素解析ソフトウェアAbaqusの年間ライセンスで約800,000円使用し,残りを論文の英文校正と投稿料で使用する計画である。
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