2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23700752
|
Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
高橋 和文 金城学院大学, 現代文化学部, 准教授 (10434549)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | スポーツバイオメカニクス / アダプテッドスポーツ / 100m走 / 義足 / 累積速度偏差 / 最高速度 / 速度低下 |
Research Abstract |
本研究は,義足の選手が100m走レース中に発揮した疾走速度を分析し,加速技術や速度低下に及ぼす義足の影響を明らかにすることを目的としている。これまでのところ,実験・測定に必要なレーザ速度計を購入し,予備実験を終えたところである。予備実験では,レーザ速度計の精度を確認するために,本学陸上部を被験者とし,疾走速度の測定をおこなった。測定方法は,選手が疾走している背後から測定器によるレーザービームを照射し,その反射光を利用して,距離を計測するものである。計測データは,時系列で保存されるが,この時間-距離関係から疾走速度曲線を求めると高周波ノイズが含まれる。予備実験では,選手のスタート地点後方約7mの地点から,レーザを照射するという,好条件の中で測定をおこなった。このような好条件の予備実験においても,高周波ノイズが検出された。時には,レーザが選手を捉えきれず,測定できないこともあった。速度データが,本研究の核となる情報であるため,より精度の高いデータを得るためにも,測定条件の環境確認は,意義深いことである。被験者には,3度の試技を課し,比較的,測定結果が優良なデータを採用した。有用なデータにおいても高周波ノイズがみられたので,これを除去するために,バターワースフィルタなどを用いて,的確な周波数の同定とノイズ除去方法を検討している。また,測定データの効率的な処理のために,コンピュータ1台を購入し,解析プログラム作成の準備を進めている。これまでのところ,MatlabとSPSSをインストールし,プログラムの作成に向けた研究環境を整えたところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
疾走速度の計測では,被験者が最高のパフォーマンスを発揮し,験者がそのデータを正確に測定することに最大のポイントがある。これまでのところ,本学陸上部の選手を被験者として,いくつかの測定条件の中で,より正確に速度を測定する方法を検討してきた。選手の背後約7mの地点からレーザを照射(好条件の実験条件)しても,高周波のノイズが検知された。この点が,当初の研究計画で検討していたよりも,難しいことが判明したため,予定よりも多くの時間をかけて,的確な周波数の同定とノイズ除去方法を検討している。それ以外については,概ね順調に研究を進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,義足の陸上競技選手と健常者の陸上競技選手のデータを測定する。測定したデータは,韓国の崔勝旭先生や三菱レーヨンの下野智史氏の協力を得て,加速パターンや速度低下パターンの違いを明確に示すことを検討している。また,100m走中の加速区間や速度低下区間のより正確な疾走速度を測定するために,デジタルカメラやビデオカメラを用いて,ピッチとストライドの計測も検討している。今回の研究で得られた成果を,学会等で発表できるよう解析を進める計画である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は,実験・測定のための研究協力者への謝礼や出張費として使用する計画である。ピッチやストライドの測定には,レーザ測定機では分析できない。そのため,デジタルカメラやビデオカメラを購入する計画である。これらの成果を公表するために,学会発表や学術雑誌への投稿も検討しており,それらに必要な出張費や印刷費なども研究費として使用する計画である。
|