2011 Fiscal Year Research-status Report
運動教室の実施形態を考慮したQOL向上に対する運動の効果
Project/Area Number |
23700839
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
高橋 信二 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (50375482)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 運動教室 / 中高齢者 / 介入研究 / 体力テスト / QOL |
Research Abstract |
これまでの先行研究より,定期的な運動の実施は,中高齢者の生活の質(QOL)を向上させることが明らかとなっている.研究代表者は,運動は直接的にQOLを向上させる効果(直接的効果)と形態・身体的機能の改善を介してQOLを向上させる間接的な効果(間接的効果)があるものの,運動の直接的効果の方が間接的効果よりもQOL向上に強く関連することを報告している.しかしながら,この成果は単一の運動教室を対象として得られたものであり,成果の一般化をはかるためにはさまざまな実施形態で運営される運動教室を対象とする必要がある そこで本研究では,さまざまな実施形態で運営されている運動教室を非ランダム化対照比較試験により比較し,QOL向上のために必要な運動教室の要素を検討する.研究実施計画におけるH23年度の達成目標は,それぞれ実施形態が異なる4つの運動教室において,運動介入前の測定を行い,事前データセットを完成させることであったが,東日本大震災の影響により計画を変更せざるを得なかった.具体的な変更箇所は,対象とする運動教室2つを次年度に延期すること,一方で,研究開始が可能な2つの教室では運動介入(12週間)および事後測定も実施するというものであった.ひとつの運動教室は,複数の指導員が集団で運動指導を行うタイプであり,他方の教室は講義聴講と3回のみの運動指導の後,個別で運動を8週間実施するタイプであった. 現段階で得られている成果は,それぞれ運動のタイプが異なる教室において,形態,身体機能,介入期間中の身体活動量およびQOLの向上は同程度であること,またQOL向上に対する運動の効果は,いずれの教室においても直接的効果が間接的効果よりも大きいことであった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では,4つの運動教室を対象に介入研究を実施する予定であった.運動教室のタイプは,それぞれ,運動指導のライセンスを有する少数の指導者が集団トレーニングを実施するタイプ(Aタイプ),運動指導のライセンスを有する多数の指導者が集団トレーニングを実施するタイプ(Bタイプ),運動指導のライセンスがない指導者が多数で集団トレーニングを実施するタイプ(Cタイプ),健康に関する講義受講(3回の運動指導含む)と個別で運動を実施する統制群である.このうち,AタイプとBタイプの教室は,東日本大震災の影響によりH23年度中に実施することが困難となった.そのため,研究開始が可能であるタイプCと統制群の測定・介入を予定より早く開始するように計画の一部を変更した.以上,若干の変更があったものの,総合的には予定通り遂行できている.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度以降の実施計画は,昨年度実施できなかった実験群(AタイプとBタイプ)での測定・運動介入を実施し,全データセットを完成させることを第一の目標とする.また,これまでに得ている成果の一部を学会発表(国内2回,国外1回の予定)および学術誌(国際誌1編の予定)にて報告する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データの収集・管理および成果報告に掛かる費用を使用する.
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