2013 Fiscal Year Annual Research Report
運動教室の実施形態を考慮したQOL向上に対する運動の効果
Project/Area Number |
23700839
|
Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
高橋 信二 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (50375482)
|
Keywords | 身体活動プログラム / QOL / 介入研究 / マルチレベルモデル |
Research Abstract |
これまでに研究代表者は,直接的に中高齢者の生活の質(QOL)を向上させる運動の効果(直接的効果)と身体的機能の改善を介してQOLを向上させる運動の間接的な効果(間接的効果)を比較し,直接的効果の方が間接的効果よりもQOL向上に強く関連することを報告している.しかしながら,この成果は単一の運動教室を対象として得られたものであった.この成果の一般化をはかるために,本研究では,さまざまな実施形態で運営されている運動教室を非ランダム化対照比較試験により比較検討した. 比較対象となる運動教室のタイプは,それぞれ,運動指導のライセンスを有する少数の指導者が集団トレーニングを実施するタイプ(Aタイプ),運動指導のライセンスを有する多数の指導者が集団トレーニングを実施するタイプ(Bタイプ),運動指導のライセンスがない指導者が多数で集団トレーニングを実施するタイプ(Cタイプ),健康に関する講義受講(3回の運動指導含む)と個別で運動を実施する統制群であった. H25年度の達成目標はAおよびBタイプの対象者数を増加し,データセットを完了させること,データ分析を行い,成果を発表・報告していくことであった.データセットの完成は達成出来たものの,成果発表は現在,論文作成中である. 最終的に得られた成果は,運いずれの教室においても,直接的効果が間接的効果よりも大きいことであった.運動教室参加自体に中高齢者のQOLを高める効果があるものと考えられる.一方,本研究は,計画に起因する研究の限界がある.本研究の一部の対象者は,既存の地域コミュニティ(町内会)を通じて募集された.地域コミュニティを通じて参加した対象者は,個人の自由意思で参加した対象者と比較して,高体力等の差異があった.この差異が研究結果に影響を与えた可能性も考えられるため,今後はランダム化対照比較試験により運動の効果を検討する必要があるだろう.
|