2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700889
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山崎 貴子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (60318574)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 食肉軟化 / マイタケ / プロテアーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、良質なタンパク質源ではあるが硬さ・噛み切りにくさのために高齢者にとって食べにくい食肉をマイタケプロテアーゼの利用により、軟らかく食べやすくする調理方法の開発である。昨年度までの研究において、注射針で肉内部にマイタケ抽出液を注入して70℃でスチームする方法(以下、mi法)は、先行研究で実施した肉をマイタケ抽出液と一緒に真空パックし70℃でスチームする方法(以下、mvp法)と比べ、肉表面の過度の分解が見られず、破断応力値には差がないことがわかった。 平成26年度はmvp法とmi法で処理した牛もも肉の官能評価を行った。試料として、未処理のまま2h加熱した肉(以下、nt2h)、mvp法で2時間加熱した肉(以下、mvp2h)、mi法で 2時間又は6時間加熱した肉(以下、mi2h, mi6h)を用いた。パネルは20代女性10名で、nt2hを基準(0)とし、表面のべたつき、硬さ、噛み切りやすさ、口中でのまとまり、飲み込みやすさ、苦味、総合評価について7段階評価を行った。その結果、miは硬さ・噛み切りやすさの点ではmvp2hと同じか(mi2h)、mvp2hよりも軟らかく噛み切りやすい(mi6h)と評価され、べたつきはntと変わらないと評価された。また総合評価ではmi6hの評価が最も高かった。これによりmi法では課題であった表面のべたつきを伴わず肉を軟化できることが確認された。 さらに、マイタケ抽出液処理による筋タンパク質の変化をSDS-PAGEおよびミオシン抗体・アクチン抗体を用いたウェスタンブロッティングにて確認した。ミオシンは重鎖(分子量20万)、軽鎖(分子量2.7万)ともにntよりmiでバンドが薄くなった。アクチン(分子量4.2万)では顕著な減少は見られなかったが、miにおいて分子量3.2万、1.2万の所に分解産物と推測される新たなバンドが確認された。
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Research Products
(2 results)