2012 Fiscal Year Annual Research Report
イソチオシアナート由来チオヒダントインの抗酸化活性および生体内変化に関する研究
Project/Area Number |
23700893
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Research Institution | Nagano Prefectural College |
Principal Investigator |
高橋 朝歌 長野県短期大学, その他部局等, 助手 (90290113)
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Keywords | チオヒダントイン / 抗酸化性 / 安定性 |
Research Abstract |
前年度に引き続き,食品中に見いだされるイソチオシアナート(アリル,3-ブテニル,4-メチルチオ-3-ブテニル)と各種アミノ酸から調製したチオヒダントイン(ATH-a.a, 3BTH-a.a, MTBTH-a.a)を用いて以下の実験を行った。 1)3BTHを用いて各種pH条件下ならびに各種温度条件下におけるチオヒダントインの安定性を検討した。チオヒダントイン溶液をpH1~11に調整した緩衝液と混合して4℃で静置し継時的に270 nmの吸光度を測定して残存率を調べた。3BTH-Phe, TrpはいずれのpHでも24時間後の残存率が50~80%に低下し,144時間後には残存率が30%程度になった。そのほかの3BTHはpH1~8では極めて安定であり,144時間経過後も90%以上が残存していた。pH11では反応開始直後に50~60%程度まで残存率が低下し,24時間後にはほとんど残存していなかった。次にpH5の緩衝液と混合し,25,36,50,75,100 ℃での安定性を検討した結果,昨年度行ったATHの結果と同様,高温になるに従って3BTHの残存率の低下が早まったが,ATHよりも高温条件下での安定性が高かった。ATHおよび3BTHのUVに対する安定性を検討した結果,Trp, Tyr由来のものを除くチオヒダントインは1時間後に50%程度,2時間後には10%程度まで残存率が低下し,紫外線によって速やかに分解することが示された。2)ウサギ赤血球膜ゴーストを用いた抗酸化試験を行った結果,ATH-Tyrに脂質過酸化活性が認められた。3)βカロテン退色法を用いた抗リノール酸過酸化試験の結果,ATHに抗酸化活性が認められた。
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