2012 Fiscal Year Research-status Report
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23700909
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鈴木 拓史 山形大学, 教育文化学部, 助教 (50587110)
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Keywords | 経腸栄養法 / 小腸機能 / 栄養学 / 栄養素 |
Research Abstract |
本研究は、非経腸栄養下の小腸機能低下時からの小腸機能回復に及ぼす栄養素の役割について、栄養素(糖質、脂質、アミノ酸)の小腸機能回復効果とその作用メカニズムの詳細を明らかにすることを目的としている。 平成23年度は長期間の非経腸栄養動物モデルを構築し、小腸に発現する栄養素の消化・吸収関連遺伝子発現解析ならびに二糖類分解酵素活性測定の結果から、7日間の非経腸栄養法の継続により小腸機能低下が引き起こされることを証明した。そこで、平成24年度は、非経腸栄養7日後の動物モデルに対して、経口から各種栄養素(糖質、脂質、アミノ酸)を3日間強制胃内投与することに伴う小腸機能の回復機構について、遺伝子発現解析、病理学的形態観察、二糖類分解酵素活性測定によりその詳細を明らかにした。その結果、投与した栄養素の種類の違いによって小腸機能の回復に与える影響が異なることを明らかにした。また、投与した栄養素の質の違いによっても、グルコース<フルクトース、長鎖脂肪酸<中鎖脂肪酸、グルタミン<アルギニンといったように小腸機能の回復に与える影響が異なることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の遅れを取り戻し、順調に成果を出している。しかしながら、研究を進めるにあたり、単種類の栄養素投与の段階で投与する栄養素の量や投与経路に課題が見つかり、研究計画に記載した複数種類の栄養素を投与する試験は実施するまでには至っていない。また、細胞株を用いた検討において、細胞増殖が低下した状態を反映する細胞培養条件の検討に時間を要している。以上を理由として、現在までの達成度はおおむね順調に進展しているとする。
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Strategy for Future Research Activity |
単種類の栄養素の投与試験において、栄養素の投与量条件を新たに見直し、栄養素投与3日後までの経時的変化について検討を行うと共に、複数種類の栄養素投与試験を試みる。それらと平行して、細胞株を用いた試験についても条件の見直しと各種栄養素投与による影響について検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物モデルを用いた試験に25万円、細胞株を用いた試験に35万円、その他実験消耗品(遺伝子発現解析、タンパク質発現解析関連試薬、チップ、チューブ等)に10万円、学会ならびに論文投稿用に10万円、国内・国外学会発表用旅費に40万円(H23年とH24年度の旅費は不使用だったため次年度に使用)
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