2011 Fiscal Year Research-status Report
身体活動を通じたチーム・コンピテンシー育成を目的とする教授方略の開発
Project/Area Number |
23700982
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
林 容市 法政大学, 文学部, 講師 (40400668)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | チーム・コンピテンシー / 教授方略 / 自己効力感 |
Research Abstract |
本研究では,高等教育における教養科目として開講されるスポーツ・体育関連授業での様々な環境・条件下における学生の活動・行動の分析に基づき,身体活動を通じた「社会的コミュニケーション」や「他者との連携・協力」,さらには「主体的かつ臨機応変な行動を導き出しうる学習活動」を検討し,単なる健康づくりや運動時間の確保などに留まらない,チームとしての課題遂行能力および問題解決能力であるチーム・コンピテンシーを有した人材育成を可能とする新たな教授方略の提案を目的に検討を進める。 初年度(平成23年度)は,チーム・コンピテンシーの中核を担うコミュニケーション能力の発達を目指し,新たな教授方略の効果について検証した。具体的には,状況判断や臨機応変な行動が求められる場面を授業内で設定し,他者との連携・協力を通じた課題解決活動を体験させることにより,学生の社会的コミュニケーション行動の発揮やコミュニケーションに対する自己効力感の増大を目的に授業を行った。その結果,将来的なコミュニケーション活動に関する自己効力感や授業を通じた友人関係の改善が認められた(法政大学体育・スポーツ研究センター紀要30:45-53,2012)。 この結果を踏まえ,平成24年度以降は,チーム・コンピテンシー育成を目指し,リーダーシップの発揮や主体的なチーム活動の発現・充実に有効な教授方略について,観察・調査を進める予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の移籍および東日本大震災による研究対象機関における学事日程の大幅な変更により,研究計画の実施日程を変更せざるを得ない状況であった。23年度後半には研究計画を調整・変更して調査を実施したことにより,研究自体は進めることができたが,計画全体としての年度の達成度は「やや遅れている」という状況に至った。
|
Strategy for Future Research Activity |
諸事情によりやや遅れている研究の達成度を当初の予定通りに進行するため,従来の研究計画を若干変更する。具体的には,初年度(23年度)に達成できなかった検討課題を24年度の前期で実施する。さらに,本年度後期において,研究計画に記載した調査対象者に加え,それらと同質と判断される他機関における対象者を研究の対象に設定して調査・検討を実施し,1年(大学における前期および後期)を通じて実施する予定であった調査を半期(後期)で終了できるよう研究計画を修正・変更する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主として分析用ソフトや参考書籍の購入,成果発表のための旅費としての使用を予定している。また,初年度の研究計画の遅れに伴い,本年度に繰り越した研究費については,本年度における研究の推進に伴い,必要となる消耗品(映像分析用ハードディスク等)の購入に充てる予定である。
|