2011 Fiscal Year Research-status Report
ミュージアムでの鑑賞支援ロボットにおける効果的な情報提示方法
Project/Area Number |
23701021
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
内山 俊朗 筑波大学, 芸術系, 講師 (50334058)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 鑑賞支援 / ロボット / デザイン |
Research Abstract |
現在、博物館教育の充実を目指すべく鑑賞支援ロボットが開発されているが、いずれも説明員の代行として、人と対話をしながら展示物を説明するというコンセプトのもと開発がすすめられている。本研究では、説明員の代行ではなくロボットがまるで来館者のように振る舞い、作品についておしゃべりをし、それを人間が「盗み聞き」して展示についての情報を得るという、全く新しいコンセプトの鑑賞支援ロボットの開発を行う。そして、鑑賞者と直接的な対話がない状態での情報提示の有効性にいて確認検証を行うことが目的である。研究は2年間で4つのステップで実施する計画であり、23年度はその前半の2つのステップを実施した。1.まず最初に2体のロボットの開発を行った。本研究で開発した鑑賞支援ロボットは、2体1組で動作する。鑑賞者に直接作品の解説を行うのではなく、ロボットが博物館の来館者のように振る舞い、おしゃべりをしながら展示物を鑑賞しているような動作をする。人間の鑑賞者はそのロボット同士の会話を横から「盗み聞き」することで、作品に関する情報を得ることができる。2.筑波大学総合研究棟内のギャラリーDを博物館に見立て、予備実験を行った。ロボット2体が来館者のように展示を見て回る動作をさせ、そこに人間の来館者(学生被験者)が入り、展示作品を鑑賞した。この実験では、ロボットの動作記録を行ったとともに、被験者の主観評価、理解度評価、行動の記録・解析を行った。なお、実験では被験者の集団を2つに分けて、同型のロボットを1体だけ用いて、ロボットが鑑賞者に対面で作品を解説する情報提示方法との比較・検証を行った。なお、24年度は後半の2ステップである、学外の博物館における実証実験と研究成果の情報発信を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は2年間で4つのステップがあり、当初の予定通り23年度には前半の2ステップ(ステップ1:2体のロボット開発、ステップ2:筑波大学総合研究棟内のギャラリーDを博物館に見立てた予備実験)を完了することができたため。なお24年度は、ステップ3において、予備実験から得たフィードバックをもとに博物館で実証実験を行い、ステップ4では、学会、展示会、インターネットを通した情報発信を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
予備実験から得たフィードバックをもとにロボットの発話の速度・間隔・音質・内容、体の位置・方向・ジェスチャなどに改良を行い、つくば市にある学外の博物館で実証実験を行う。実験の結果から、効果的な情報提示方法について検証を行うとともに、ロボットのさらなる改良を行う。博物館における新しいコンセプトの鑑賞支援ロボットとして、発表・展示・実演・インターネットでの情報発信を行い、社会での認知を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度からの繰越額は平成24年4月に支払い予定である。次年度の研究費はロボット開発に必要なセンサ・電子物品、3Dモデル材料などの購入、研究成果を伝えるための資料作成費、研究補助としての謝金、材料加工委託に使用する。
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