2012 Fiscal Year Annual Research Report
ミュージアムでの鑑賞支援ロボットにおける効果的な情報提示方法
Project/Area Number |
23701021
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
内山 俊朗 筑波大学, 芸術系, 講師 (50334058)
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Keywords | 鑑賞支援 / ロボット / デザイン / 情報伝達 |
Research Abstract |
現在、人とロボットの共存できる社会を目指し、人支援型ロボットの開発が行われているが、その先行研究のいずれもが、直接人とロボットが対話することによって発生する問題を抱えている。それを解決すべく本研究で開発を行ったのが間接的情報提示を行うロボットGeminiである。前年度には、大学内での実験で一定の効果を確認することができた。 本年度は、学外の科学博物館においてロボットによる情報提示で人の理解度に変化が見られるか、そしてロボットが情報提示していることに対して人はどのような印象を持っているか検証を行った。来場者に展示物に関するクイズや、ロボットに関するアンケートを実施し、ロボットを用いた情報提示によって部分的に展示物に関する理解度が高まることが確認できた。また、ロボットについて「可愛い」「楽しかった」などの肯定的な意見が大半を占めたが、「音が聞きづらい」などの音量、音質に関する否定的な意見が見られた。 本研究は、博物館での鑑賞を支援するロボットということで開発を進めてきたが、研究を進めている中で、博物館外の人の往来の激しい場所で企画展の広報としてロボットを使用するニーズがあることが分かった。そこで広報を目的としても同じロボットが活用できるか、駅に直結したホテルのロビーにて、ロボットとデジタルサイネージについて比較も行った。ロボットの音質に関しては改善を求める意見があったが、興味と印象はロボットのほうが良い結果となった。 博物館とホテルでの実験から、情報提示ロボットは情報の理解度を向上させ、人の興味を既存の情報提示媒体より強く引きつけ、そして好印象を与えていることがわかった。これらのようなことからロボットによる情報提示が有効であるということが確認できた。
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Research Products
(2 results)