2012 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化によるプロテアソームの質的変動と機能調節機構に関する研究
Project/Area Number |
23701086
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
木村 弥生 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 特任助教 (80391936)
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Keywords | プロテオミクス / リン酸化 / Phos-tag親和性電気泳動 / プロテアソーム |
Research Abstract |
本年度は、プロテアソームの高次構造維持とリン酸化修飾との関係を調べると共に、リン酸基を捕捉することができるPhos-tagリガンドを用いたPhos-tag親和性電気泳動を活用することで、リン酸化修飾によるヒト26Sプロテアソーム構成サブユニットの質的変動をモニタリングすることが可能であるかを検証した。26Sプロテアソームは、14種類のサブユニットで構成される20Sプロテアソームの両側または片側に少なくとも19種類のサブユニットで構成される19S調節因子が会合した構造をとっている。無処理および脱リン酸化処理した26Sプロテアソームを非変性電気泳動により分離した結果、20Sプロテアソームの高次構造維持にリン酸化修飾は関係しないが、26Sプロテアソームおよび19S調節因子の高次構造維持にはリン酸化修飾が関与することが示唆された。また、昨年度、Phos-tag親和性電気泳動を用いて移動度の異なる複数の分子を分離・検出することに成功した2種類の構成サブユニットについて、脱リン酸化処理による検出パターンの変化を調べたところ、ともに脱リン酸化処理後に移動度の遅いバンドの消失またはシグナル強度の減衰が確認でき、これらのバンドはリン酸化修飾分子であることが明らかになった。さらに、培養細胞を過酸化水素刺激した場合の2種類のサブユニットのリン酸化修飾状態の質的変動をPhos-tag親和性電気泳動を用いて調べたところ、過酸化水素刺激後にリン酸化修飾分子量の増加と非リン酸化修飾分子量の減少が確認できた。以上の結果から、2種類のプロテアソーム構成サブユニットについては、Phos-tag 親和性電気泳動を用いることでリン酸化修飾状態の質的な変動をモニタリングすることが可能であると考えられた。
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[Journal Article] Effects of growth hormone on the salmon pituitary proteome2012
Author(s)
Yoichi Kurata, Yayoi Kimura, Yuko Yamanaka, Akiyo Ishikawa, Hiroyuki Okamoto, Tetsuji Masaoka, Hiroyuki Nagoya, Kazuo Araki, Shunsuke Moriyama, Hisashi Hirano, Tsukasa Mori
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Journal Title
J. Proteomics
Volume: 75
Pages: 1718-1731
DOI
Peer Reviewed
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