2011 Fiscal Year Research-status Report
HGFプロモーター遺伝子変異によるEGFRチロシンキナーゼ阻害薬の効果予測
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23701106
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
荒尾 徳三 近畿大学, 医学部, 講師 (20441074)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | HGF / 肺がん / 遺伝子変異 / SNP / プロモーター |
Research Abstract |
1年目の本年度は、HGFプロモーターの基礎研究を行った。固形がん細胞73細胞株を対象にHGFプロモーターpoly A領域の変異を検討したところ、Short polyA (< 25bp)の細胞株が7株、正常型のpolyAの細胞株は66株であった。73細胞株のHGFのmRNA発現をrealtime RT-PCRで解析し、HGFのmRNA高値の細胞株では29% (2株/7株)がShort polyAで、HGFのmRNA低値株では3%(2株/66株)であった。予想通りHGFのmRNA高値株は、Short polyAである頻度が有意に高いことが示された (p=0.04)。次にHGFタンパクの分泌量をELISAで検討したところ、Short polyAである H69細胞とIM95細胞が、他株と比べて1000倍以上HGFタンパクを分泌することを見出した。一方、Short polyAでもHGF低値の細胞株が存在したことから、HGFプロモーターのSNPを検討した。SNPは、-2142[C/A, rs11763015], -1965[G/T], -1903[G/A], -1652[C/T, rs3735520], -1268[G/C], -1215[-/C], -955[T/C], -578[T/C], +247[-/T, rs72525097]の9個のSNPを検討した。HGF高値のIM95細胞は、rs3735520がC/Aアレルであったのに対して、他の18株はCアレルであった。rs72525097についてもShort polyA株で頻度が高い傾向を認めた。HGFプロモーターの解析方法としては、自動ゲル解析装置の簡便スクリーニング系およびシークエンスの検証方法を確立した。研究は来年の臨床検体の検討に向けて予定通り順調に進行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、がん細胞株73株を対象にHGF発現とHGFプロモーターのshort polyAおよびSNPの関連を基礎研究で確認した。検出系も確立し、来年度からの臨床検体の解析に向けて順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度からの2年で、(1)肺癌検体でのHGFプロモーターpolyA個数とHGF発現量の相関解析(2) 肺癌検体でのHGF発現量とEGFR-TKIs治療の臨床的相関解析を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度と同じように遺伝子変異解析に伴う消耗品に対して使用を計画している。
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Research Products
(36 results)