2011 Fiscal Year Research-status Report
近世初期における日本漢詩文の書写・集成事業に関する基礎的研究
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23720129
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
仁木 夏実 明石工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (40367925)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 彰考館 / 詩集 / 詩纂 |
Research Abstract |
本研究は、近世初期における大名家・禁裏及び儒者といった様々な人々による日本漢詩文の書写や集成、そしてそれらの成果を支えた校訂作業などの研究に着目し、いまだ十分とは言えないその全容の解明、そして、その主な研究対象となった中古・中世漢詩文への新たな視角の獲得を目指すものである。 こうした研究の性格上、研究対象となる資料の所蔵先を訪問し、調査することが不可欠である。平成23年度の研究実施計画では、公益財団法人徳川ミュージアムの所蔵史料の閲覧を行っている彰考館レファレンスルーム(東京都港区)、東京大学史料編纂所(同文京区)、国立公文書館(同千代田区)での調査を予定していた。しかし、平成23年3月11日に起こった東日本大震災の影響により、訪問予定先はいずれも被災、資料の閲覧・調査は大きく制限されることとなった。そのため、その間はこれまでに収集した紙焼資料などをまとめる作業を主軸にせざるをえなかった。幸い、その後東京における調査を再開することができ、平成24年3月には東京大学史料編纂所にて、「詩集」編纂の基礎資料となった「詩纂」の調査を行うことができた。その結果、「詩集」及び「詩纂」の収集先の情報や、「詩集」には入れられなかった漢詩文の発見など、新たな知見を得ることができた。これは、徳川光圀の命を承けた京都での漢詩文収集活動の一端を示すものであり、その重要性について、これまでの「詩集」に関する研究と合わせて、現在論文化を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要でも述べた通り、東日本大震災の影響により、研究実施計画で予定していた調査の一部については実施することができなかったが、これまでに収集した資料のまとめ、また、再開した調査の成果により、平成23年度研究実施計画の「1.水府明徳会(現公益財団法人徳川ミュージアム)所蔵「詩集」・「詩纂」の調査・研究」については、一定の成果を収めることが出来たと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の研究実施計画「1.水府明徳会所蔵「詩集」・「詩纂」の調査・研究」を継続しておこなう。すなわち、「詩集」及び「詩纂」の調査を行い、そのなかで 得られた知見を紹介しながらその有用性について考察する。 また、昨年度は進めることが出来なかった同計画の「2.国立公文書館所蔵林家関連史料の研究」を行う。「十番詩合」を始め、所蔵される漢詩文資料について順次研究範囲を広げ、その全容について見通しを付けたい。 いずれの研究においても随時口頭発表及び論文発表の形で公開したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
経費は、物品費(主に図書費)と旅費が中心となる。 物品費(図書費)については、勤務校が工業系の高等専門学校ということもあり、付属図書館ではなかなか必要とする資料・参考文献をまかなうことが難しいため、旅費を上回る額を計上した。 旅費については、長期休暇中2泊3日の調査(約50,000円)を年6回行うと予定して計上した。研究の性格上、研究対象となる資料の所蔵先を訪問して調査を行うことが不可欠であるが、校務との兼ね合いもあり、この回数は妥当であると考える。
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