2014 Fiscal Year Annual Research Report
中国四川省西部の同系多言語社会における地域特徴解明のための言語学的調査研究
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23720203
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
白井 聡子 麗澤大学, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (70372555)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 言語学 / 危機・少数言語 / 研究者交流(中国) / フィールドワーク / 言語地理学 / 川西民族走廊 / チベット=ビルマ語派 / チァン語支 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに収集したデータの分析を進め、平成26年5月に“Reduplication as a process of nominalization in Tibeto- Burman”と題して口頭発表を行い、さらにそれをまとめて論文“Reduplication and Nominalization in Tibeto-Burman”を発表した。また、平成26年7月に「ギャロン語ヨチ方言における使役および逆使役の接辞について」と題して口頭発表を行った。 平成26年7月28日~平成26年8月9日、中国四川省において現地調査および研究打合せを行った。その際、西南民族大学チベット学研究科チョクデン・タール講師らと研究打ち合わせを行った。また、同氏らの協力を得て、成都市においてギャロン語ヨチ方言の文法調査、甘孜チベット族自治州道孚県においてダパ語の文法調査、康定県においてクイチョン語の語彙調査をそれぞれ実施した。これらの調査によって、本研究の分析に重要な一次資料(録音記録および、音韻表記ないし音声表記を含む筆記記録)を新たに得ることができた。ギャロン語ヨチ方言については、主に動詞形態法の調査を行った。この成果の一部として、ギャロン語の他動性に関する論文を執筆、近刊予定である。ダパ語については、使役および節連接に関する問題を中心に文法調査を行った。この成果の一部として、平成26年12月に「ダパ語と周辺言語の文末助詞」、また、平成27年3月に「ダパ語の使役について」と題して、それぞれ研究発表を行った。さらに、節連結に関する論文を執筆中、また、2015年6月に文末助詞に関する口頭発表を予定している。クイチョン語については、基礎語彙の調査を実施したのみであるが、今後継続的に調査を行い、対照研究を進めたい。 これまでの研究成果を一般に公開するためにウェブサイトを開設した。
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