2012 Fiscal Year Research-status Report
留学生のキャリア形成における日本語学習の意義づけとその変容に関する研究
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23720270
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
小林 明子 島根県立大学, 総合政策学部, 講師 (40548195)
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Keywords | 日本語学習動機 / キャリア形成 |
Research Abstract |
2012年度は以下の調査を実施した。 1. 留学生のキャリア形成に伴う日本語学習動機の変容と影響要因を探ることを目的として、インタビュー調査を実施した。この調査は、2011年度から実施している縦断調査であり、今後2013年度まで調査を継続する予定である。調査では、中国人留学生に対して大学入学時点から定期的にインタビューを実施し、日本語学習に対する動機づけの変容やそれに影響を与えた要因(進路に対する考え方や留学中の経験、人間関係、学習環境等)について聞いた。収集したデータを文字化して分析を行い、次回の調査に向けて分析・考察の観点を整理した。 2. 進路決定の時期にある大学3・4年生を対象として日本語学習を始めてから現在までの個人史をライフストーリー・インタビューにより聞き取った。質問内容は、日本語学習に対する動機づけ、留学動機、留学に対する中国社会・家族の評価、希望職業・進路、日本人との交流経験、留学中の経験などについてであった。収集したデータはすべて文字化し、質的な分析方法を用いて考察した。結果として、ボランティアやインターンシップ、アルバイトなどの何らかの責任を伴う形で社会参加をすることが、将来日本人とともに働く自信を得ることにつながることが示された。さらに、そのような自信を得ることにより、日本社会における自らの将来像が描きやすくなり、日本語学習に対する意義づけが明確になりやすいことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的、研究実施計画にもとづいてほぼ予定通りに研究を進めることができている。調査協力者となる留学生から調査協力の同意を得ることができ、順調にデータを収集することができた。インタビューデータの文字化についても、入力補助を依頼したことにより、スムーズに分析を進めることが可能となった。また、2011年度、2012年度の研究成果の一部を学会において発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策は以下のとおりである。 1. 日本語学習動機の変容と影響要因を解明するために、2011年度から実施している縦断調査を2013年度まで引き続き実施し、分析・考察を進める。 2. 1年目、2年目の研究成果を取りまとめ、研究発表、論文投稿を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.物品費:最新の研究成果を本研究に反映させるため、研究図書を中心として購入する。 2.旅費:広く研究成果を公開することを目的として、国内学会または海外学会において成果発表を行う。 3.その他:3年間の研究成果を公開することを目的として、報告書を作成する。
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Research Products
(2 results)