2011 Fiscal Year Research-status Report
自動車産業における製品開発組織とプロセスの相互関係
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23730382
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Research Institution | Yamanashi Gakuin University |
Principal Investigator |
東 秀忠 山梨学院大学, 現代ビジネス学部, 講師 (50583267)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 国際情報交流 / 中国 / スイス / フランス / 自動車産業 / 製品開発 / グローバルR&D / 国際比較 |
Research Abstract |
既存の調査データ分析と、文献レビューを目的として、横浜国立大学のダニエル・ヘラー准教授と研究打ち合わせを行った。この打ち合わせを通じて既存研究の課題と今後の研究方針についての指針を得た。これをもとに、海外自動車メーカーにおける製品開発プロセスと組織の実態を調査・情報交換し、現状での研究の進捗に対する助言を受けることを目的として、中国とスイスで各1回の研究報告を行った。これらの発表を元にしたワーキングペーパーとして、Higashi&Heller(2011)"Thirty Years of Benchmarking Product Development Performance: A Research Note"東京大学ものづくり経営研究センターディスカッションペーパーシリーズ, No.395を執筆した。また、それぞれの情報交流を通じて、各国での製品開発組織とプロセスの実地調査の可能性を探った。この成果として、フランスの研究者との連携を通じて、フランスの自動車メーカーへの調査を実施することを検討中である。また、スイスではSauber Motorsport AGを訪問し、自動車の製品開発における特殊ケースとしてのF1マシンの製品開発に関する知見を得た。同時に、他産業での製品開発組織とプロセスの関係を調査することを目的として、シンガポールの電子機器製造装置メーカーを調査した。この研究成果はワーキングペーパー「日本企業の海外展開とその課題に関する調査ノート:電子機器製造装置メーカーA社のシンガポール拠点への調査記録」と研究報告として発表した。この調査より、産業財における製品開発組織とプロセスの関係と、グローバルR&Dの進展についての知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献サーベイと既存データの分析、並びに一部実地調査を推進したことにより、課題としている製品開発組織とプロセスの相互関係に関する予備的情報の収集が進んだ。一方で、問題点としては、自動車メーカーに対する実地調査が進展していないことが挙げられる。だが、研究報告や情報交換を通じて、海外研究者との連携を通じた海外企業の調査の可能性を見いだしたことや、他産業における事例の研究を実施したことを通じて、総体的な知見の蓄積はおおむね順調に進んだと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
海外調査・研究報告に際する航空券の直接購入などにより経費の節減を実現した。これによって、\2,415の残金が残った。これに次年度の研究費を加えることで、平成23年度にあまり進展させることができなかった自動車メーカーに対する実地調査を推進することを優先する。また、現状でワーキングペーパーとなっている研究成果について、査読誌掲載に向けた調査・分析の拡充を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に、国内外の自動車メーカーにおける実地研究の推進と、国際学会での研究報告に対して重点的に研究費を活用する。海外実地調査と国際学会での研究発表については、効率的なスケジュールを立案し、研究費の効率的な執行に留意する。加えて、文献・資料サーベイの拡充のため、書籍・資料購入を優先的に行うことを計画している。
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Research Products
(5 results)