2013 Fiscal Year Annual Research Report
中国のスポーツと社会階層に関する調査―体育系学校の学歴取得と職業選択に着目して
Project/Area Number |
23730498
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
池本 淳一 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (90586778)
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Keywords | 中国 / 武術 / 教育 / 社会階層 / スポーツ |
Research Abstract |
本究の目的は、内陸部及び沿岸部の体育学校、武術学校、芸術学校の体育系高校及びその比較対象としての普通学校の質問紙調査を通じて、現代中国においてスポーツが階層形成及び階層移動に果たす役割を明らかにすることであった。その目的達成のために、初年度は内陸部の重慶市、次年度は沿岸部の上海市で調査を行い、次年度及び最終年度で国内・海外での学会発表、学術誌での論文発表を通じてそれらの成果を総括・発表した。これらの経緯から、本研究の目的はおおむね達成されたと考えている。 なお本年度の研究実績は以下のとおりである。1.2013年5月29日~6月5日まで本研究の研究協力者である中国・西南大学陳宝強氏を日本へ招聘し、2013年6月1日~2日に開催された日中社会学会大会にて、「現代中国におけるスポーツと社会階層―各種体育系学校の比較調査を通じて―」と題する共同発表を行った。2.2013年9月に重慶での調査結果の一部を用いた研究論文「武術学校のエスノグラフィ――再生産戦略とアイデンティティ構築の視点から――」が日本社会学会編『社会学評論』254号に掲載された(なお昨年度掲載決定のため、昨年度の成果報告にて報告済み)。3.2014年3月14日~15日には、香港で開催された“The Asian Studies Association Of Hong Kong (香港)"の第九回大会において「伝統的身体/文化資本与移転的戦略―重慶/上海的武術学校為例―」と題する研究発表を行った。 これらの成果発表に加えて、香港での学会開催に合わせて2014年3月14日~20日まで香港の民間武術のフィールドワーク及び香港中央図書館・古書店・武術専門書店での史料収集を実施し、現代競技武術の成立史及び伝統武術との比較研究に関する基礎史料を入手した。
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