2012 Fiscal Year Research-status Report
児童養護施設における家庭的支援と自立についての再検討
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23730541
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
田谷 幸子 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 講師 (30440001)
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Keywords | 自立支援 / キャリア形成 / 退所者支援 / 地域支援 / 要保護児童 / 児童養護施設 |
Research Abstract |
本研究は、児童養護施設における自立支援への取り組みの実態とその効果を明らかにすることを目的としており、退所後の児童の抱える問題へのインケア、アフターケア、退所後支援のあり方を検討する。 2012年度には、2011年度に引き続き、1.児童養護施設における自立支援の先行研究の整理、2.実施された児童養護施設退所者調査の分析、3.地域における子どもの自立支援の実践、4.児童養護施設職員との意見交換、5.児童養護施設・児童自立支援施設退所者の生活実態分析、を行った。 1.においては、児童福祉分野とそのほかの近接領域で「自立」概念が異なることから、「自立」概念の区分を行う必要があった。そのため、児童福祉の分野の中でも児童養護分野での「自立」の方向性の検討を行った。2.においては2010年度~2011年度に退所者2調査が実施された調査グループと検討を行い、量的調査に加えて、質的調査を今度実施することになり、ヒアリング項目の検討及び政策への働きかけのあり方を研究会で話し合ってきた。3.においては、女性支援団体との協力の中で、DV被害女性の中に児童養護施設出身者がおり、周りに相談できずに状況の深刻化したケースが多くあることが分かり、DV被害者支援の観点から、家族の援助の得られない被害者への支援方法を検討することとなった。4.においては、退所者調査の質問項目の検討を行い、退所者調査質問紙の作成を行った。退所者調査のうち、子育て支援調査項目については現在も検討中である。5.においては、施設の協力を得て退所者調査質問紙のプレ調査を実施し、ヒアリングへの協力承諾を得ることができた。 現段階では調査及びヒアリングの事前準備が整った状況にあり、今後調査を実施する中で具体的に生活実態や課題が浮かび上がってくることを期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
質問紙及びヒアリング調査を行うにあたり、大学の倫理委員会に申請を行った。倫理委員会からの調査実施許可を受けてから調査を実施予定であったが、年度内に許可がおりなかったために、調査実施に至らなかった。そのため、研究に遅れが生じている。 今年度は、質問紙調査及びヒアリング調査の事前準備として、調査を実施する施設との調整を行った。質問項目の検討を施設職員と時間をかけて行うことができたため、来年度以降に質問紙調査及びヒアリングを施設の協力のもとに実施予定をしている。特にヒアリング調査は施設の協力により研究協力を退所者から得られる見通しが立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度は、産休のため研究中断申請を行っている。 2013年度4月に倫理委員会から調査実施許可が下りたため、2014年度に質問紙調査及びヒアリング調査を施設の協力のもと実施する予定である。退所者への質問紙調査の送付準備、ヒアリング調査への協力を退所者から得られる見通しが立っているため、2014年度に向けて準備を行っている予定である。 また、児童養護分野における「自立」概念の整理を行うとともに、他分野を含めて「自立」概念の分類を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度は産休のため研究中断申請を行っている。 2014年度には質問紙調査の郵送代、質問紙調査協力謝礼、ヒアリング調査協力謝礼、専門的知識の提供謝礼、施設との検討会や調査報告会の開催の費用に研究費を使用する予定である。
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