2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23730659
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小山 徹平 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (50535656)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
幻聴妄想症状の心理社会的治療として効果的であるとされている認知行動療法を、幻聴妄想症状のある統合失調症患者を対象に行い、認知行動療法の主たる要素である「心理教育」「行動的技法」「認知的技法」が治療においてどのような効果をもたらしうるかを明らかにすることを目的とし、本研究は行われた。本年度は、昨年度選別を行った対象者に、引き続きプログラムの実施をした。 本プログラムは、昨年度と同様に、1回60分から90分で行われた。形式は、「心理教育」「行動的技法」「認知的技法」の3要素で構成された内容でおこなわれた。なお、前後に導入と振り返りのセッションも設定した。それぞれ、個人面接の形式で行われた。「心理教育」では、幻聴妄想等の症状に関するワークブックを作成した。ワークブックでは、再発悪化の環境要因などを学習しながら、自己の現在及び過去の症状を客観視できるよう、自らが書き込むような構成とした。「行動的技法」では、症状の出現する具体的な場面例を用いて、ロールプレイ技法を用いた介入を行った。ここでは、症状に対する対処行動の獲得を目的とし、実生活においてセッションで学んだ新たな対処行動を実施してみることを促し、行動の定尺化を狙った。「認知的技法」では、幻聴妄想症状を呈した各個人の場面を扱い、その場面で浮かんだ歪んだ認知の同定をし、その後認知の修正を図った。また、修正の際には、歪んだ認知にとって代わる適応的思考を本人との話し合いを基に検討した。また、その適応的思考を実生活の中で採択できるよう自己教示等の方法を用いて介入を行った。
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