2011 Fiscal Year Research-status Report
日本統治下台湾人用国語教科書と日本人用国定国語教科書の比較研究
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23730775
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Research Institution | Heian Jogakuin(St.Agnes')University |
Principal Investigator |
陳 虹ブン 平安女学院大学, 国際観光学部, 講師 (60534849)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 台湾教育 / 植民地教育 / 植民地教科書 / 国語教科書 / 教科書研究 |
Research Abstract |
1.教科書の撮影とデータ化:教科書の比較作業をよりスムーズに行うために、一部の教科書を撮影し、パソコンなどの電子機器類ですぐ検証・活用できるようにした。今後も必要な資料や教科書の整理作業を続ける予定である。2. これまでの比較方法を調整し、今回教科書内容の研究方針を確立した。第一期「台湾教科用書国民読本」の比較結果はすでに原稿にまとめ、現在は「平安女学院大学研究年報第12号」に投稿し、審査中である。この原稿では「台一読本」をのちに編集された「国一読本」との対照作業を行い、同じタイトルや近似するテーマを扱う教材があるかを確認し、その特徴を明らかにした。さらに、国定本からの影響がない状態で編纂された「台一読本」の分析結果は、影響を受けているほかの四期の国語教科書の対照基準にもなる。なお、第二期「公学校用国民読本」の比較作業もすでに済んでおり、現在は結果を整理し、近日中教材研究で発表する予定である。3.国内および台湾台北にある主な資料所蔵地への現地と聞き取り調査を実施した。台湾・日本両方の教科書編集資料や教材研究資料も集めた。4.「日本統治下台湾国語教科書と国定国語教科書の教材比較分析研究会」を主催し、第一回と第二回の研究会では第一期教科書の比較分析結果を発表した。第三回の開催は8月に予定されている。 5.現有第四期、第五期比較成果の翻訳と整理は予定通りに進めている。7.そのほか、本研究に関連する台湾植民地教育の研究にも参加し、教科書編纂関連の論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度開始後、教科書資料の撮影と整理を計画に加わったが、資料調査の進行や教科書の比較作業が順調だったため、概ね予定通りに計画を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度以降には以下の作業・研究を行う。1.引き続き資料を収集し、順番に比較作業を進める。2.台湾への現地と聞き取り調査を実施する。3.第二、三期教科書の分析結果をまとめ、研究会においてほかの研究者と意見を交換し、必要な場合は追加の調査や検証を行う。4.全五期の比較結果をもとに、個別研究の教材を特定する。5.本研究の横軸となる全教材の比較結果を表ごとにまとめ、時期や教科書の巻数順に検索できるように資料を作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度は計画通りに、経費を「設備備品費」「消耗品費」「旅費」「謝金」などの項目に分けて使用する。なお、研究費の使用については、本務先の研究事務担当者との連絡を密に行い、適正に執行する。「設備備品費」は主に図書やパソコン関連の備品、「消耗品費」はトナーやコピー用紙などの事務用品に使う。「旅費」は資料調査と研究会など国内外出張への必要経費にあて、「謝金」は主に資料整理のバイト代とインタービュー関連の謝金に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)