2013 Fiscal Year Annual Research Report
眼球運動を用いた読み習熟度評価法の検討~健常児の発達変化と読字障害児での検討~
Project/Area Number |
23730861
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
内山 仁志 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (60348604)
|
Keywords | 眼球運動 / 読字障害 / 習熟 / 読字 / 健常児 / 発達性ディスレクシア |
Research Abstract |
本研究課題は、視線解析装置を用いて単語や単文を読んだときの眼球運動パターンを解析することで、逐次読みからまとまり読みへの習熟度変化を定量的に示す有効な指標を探索し、健常児や発達性読字障害児の読みの習熟度を客観的に評価することを目的として掲げ、研究を遂行した。本研究課題により、以下のことが明らかとなった。 (1)成人(大学生)と健常児(小学3年と小学5年)における読み特性の違いを眼球運動解析により明らかにした。音読時の注視回数と平均注視時間を用いて評価したところ、注視回数において、ひらがなの単語音読、単文音読は小学5年で成人レベルに達していることが示唆された。一方で非単語音読は成人と健常児で有意差が見られなかった。また小学3年生と小学5年生においても単語課題において注視回数の有意な減少がみられた。これらのことより習熟度評価指標として注視回数が有効であることが明らかとなった。 (2)健常児における読み特性の発達的変化を明らかにした。同一被験児を小学3年時と小学5年時に同様の課題で比較したところ、単語、非単語、単文課題すべてにおいて注視回数の減少が見られた。一方で非単語課題のみ平均注視時間が小学5年時に有意に減少していた。 (3)6名の発達性ディスレクシア児と12名の健常児の眼球運動特性を解析し、注視回数、平均注視時間による習熟度評価を健常児との比較検討を行った。単語、非単語、単文課題の音読時間は発達性ディスレクシア児で有意にはやく、注視回数も多かった。平均停留時間に有意差は見られなかった。また、視覚的注意課題においても発達性ディスレクシア児では正答率が有意に低かった。
|
Research Products
(4 results)