2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23740002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 太初 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (50466546)
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Keywords | アソシエーションスキーム / 距離正則グラフ / Terwilliger 代数 / デザイン理論 / 半正定値計画法 |
Research Abstract |
昨年度より、極値集合論で重要な Erdos-Ko-Rado の定理の種々の距離正則グラフへの拡張について、証明の核心的な部分をより抽象的な枠組みである Leonard 対のレベルに一般化することに取り組んできたが、現在成果をまとめた論文を投稿中である (arXiv:1208.4050)。この成果に関連した私の研究に関して、7月にインドネシア・Bandung 工科大学、及び8月に中国・上海交通大学で開催された二つの国際研究集会で口頭発表を行った。 坂内英一氏 (上海交通大学)・坂内悦子氏・須田庄氏 (国際基督教大学) とアソシエーションスキーム上の相対デザインに関する研究を行った。これは通常のデザインの概念の一般化で、所謂ユークリッドデザインに対応するものであるが、非可換代数である Terwilliger 代数の表現論を駆使して、自然な仮定の下で Fisher 型不等式と呼ばれる限界式を具体的に計算した。この成果についても論文を投稿中である (arXiv:1303.7163)。 Erdos-Ko-Rado の定理及びその拡張の証明は、Delsarte による線型計画の手法の最も優れた応用例の一つであるが、 須田庄氏と共同で、有限体上のベクトル空間の二つの部分空間族の間の交叉に関する定理を、 半正定値計画の双対性を用いて証明することに成功した。これは松本・徳重による二つの集合族に関する1989年の結果の q-類似であり、既存の組合せ的手法では証明できていなかった結果である。なお、この成果については現在論文を準備中であり、平成25年6月にハンガリーで開催される研究集会で講演を行う予定である。
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