2011 Fiscal Year Research-status Report
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23740192
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾田 欣也 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60442943)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流(インド・韓国) |
Research Abstract |
尾田、西脇、奥田、渡邉は、7TeV の CERN Large Hadron Collider における2/fbまでのデータにより、5次元および6次元の知られているすべての普遍余次元(UED)模型に対して、各ヒッグス質量ごとの、カルツァ・クライン質量に対する下限を求めた。具体的にはH\to WW\to l\nu l\nu経路およびH\to\gamma\gamma経路のデータと、対応するUED模型における信号の計算結果を比べた。同四者で、ヒッグス粒子が重い場合について、LHCにおけるZZ\to4l信号の計算を行った。この経路は、LHCにおける最も綺麗な信号が得られる重要なものである。同四者と角田で、7TeV の CERN Large Hadron Collider における5/fbまでのデータにより、5次元および6次元の知られているすべての普遍余次元(UED)模型に対して、各ヒッグス質量ごとの、カルツァ・クライン質量に対する下限を求めた。この解析には、支配的なグルーオン融合過程と、グルーオン対、光子対への崩壊に対する、カルツァ・クライン・トップ・クォークの輪からの補正を取り入れた。また、カルツァ・クライン質量が十分小さい場合には、ヒッグスの光子対への崩壊分岐比が最大20%減少すること、光子対からのヒッグス生成の断面積が最大10%減少することを求めた。これらは、それぞれ、高エネルギー・高強度の International Linear Collider および光子光子 collider において観測可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究について、早いうちに成果を得ることができたため、LHCにおける実験結果と比べる論文2本を書き、国際会議および対応するプロシーディングスへでの発表を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
高次元ゲージ理論におけるくりこみ群方程式を解くことにより、真空の安定性や、ヒッグス場の4点結合・ゲージ結合・トップ・クォークの湯川結合が発散しないための条件を求め、ここから普遍余次元模型のカルツァ・クライン・スケールおよびヒッグス質量に対する制限を導出する。これにもとづき、LHCにおけるヒッグス信号において、主としてカルツァ・クライン・トップ・クォークとカルツァ・クライン・ゲージ場の輪からくる、標準模型からのずれを予言する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主として国際会議における研究発表や議論、および、海外研究者の招聘による議論のために予算を使う。その他に、計算機や書籍の購入にも使用する予定である。
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Research Products
(6 results)