2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23740192
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
尾田 欣也 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60442943)
|
Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
標準模型において裸の結合定数を用いて裸のヒッグス質量への二次発散する寄与を1ループ及び2ループで求めた。紫外切断スケールで定義される裸の結合定数は、同じスケールにおけるMS-barの結合定数を、2ループのくりこみ群方程式を用いてヒッグス質量約126GeVの標準模型について求めた。裸の質量の切断スケールへの依存性を求め、どこでゼロになるかを調べた。トップクォーク質量が170GeVであれば、このスケールはプランクスケールとなる。 軽いディラトンの、もっとも簡素な計算可能な模型を構築した。この模型においては、準共形な動力学に関わるのはトップクォークとヒッグスの部門だけである。ヒッグスが非常に重い場合でも、この模型は電弱精密測定の結果を矛盾なく合わせることができ、LHC実験において125GeV付近に発見された新粒子をヒッグスボソンではなく、軽いディラトンと同定することを許す。現在のLHCのデータは発見された粒子がほとんど軽いディラトンであるか、あるいはヒッグスであるような2つの区別された領域を許すことを発見した。 5次元および6次元の普遍余次元(UED)模型に対する、LHCでのヒッグス探索からの最新のデータ、およびSTパラメタに対する電弱精密測定のデータからの制限を調べた。5次元のミニマルUED模型、および6次元のT2/Z2, T2/(Z2xZ2’), T2/Z4, S2, S2/Z2, RP2, PS模型を網羅した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LHCにおける新粒子の発見を受けて、タイムリーに素粒子現象論を展開することができている。
|
Strategy for Future Research Activity |
LHCにおけるヒッグスとみられる新粒子の発見は過去四半世紀における素粒子物理学の最大の成果である。これを受けて、素粒子論の今後四半世紀の進展を先取りするような研究を推進してゆく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
私および共同研究をしている学生の国際会議および海外の研究所での発表、議論を通じて研究を進展させる。そのための旅費等の諸費用が主たる支出となる。
|
Research Products
(9 results)