2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内在性タンパク質活性の時空間的光制御を目指した新規化学修飾法の開発
Project/Area Number |
23750188
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高岡 洋輔 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80599762)
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Keywords | タンパク質 / ケミカルバイオロジー / 化学修飾 |
Research Abstract |
前年度までに、様々なタンパク質化学修飾法を試行して、タンパク質の活性を光で可逆的に制御出来る系の構築を目標として研究を行ってきた。最終年度では、温和な条件でタンパク質を化学修飾可能な「リガンド指向型化学」を応用して、タンパク質の活性を光で制御出来る方法論を確立した。モデル標的タンパク質として炭酸脱水酵素(CAI)を選択し、CAIリガンドと、CAI表面に疎水性相互作用で結合する19F分子とを、アシルイミダゾール基で連結したラベル化剤を用いる事で、タンパク質表面のただ1つのアミノ酸のみをほぼ定量的に化学修飾することを見出した。ラベル化された酵素はリガンド分子が共有結合で連結されているため完全に活性が失われるが、連結部分をケージド基で構成させる事で、UV光によって解離する事が出来る。これにより、酵素活性の100%オフ/オンスイッチングを達成した。本手法はリガンド認識を利用しているため、細胞系のような夾雑系でも適用でき、実際にCAIが内在的に発現する赤血球ライセート中でもCAIのみを選択的にラベル化し、さらにCAIの活性を光でオフオンスイッチングする事にも成功した。このように、課題に挙げた「タンパク質の光活性制御」を可能とする新規な化学的方法論を期間内に確立し、その成果を学術論文や学会発表で精力的に報告している。
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Research Products
(11 results)