2013 Fiscal Year Annual Research Report
ポルフィリン金属錯体を用いたX線増感型ガン治療法の開発
Project/Area Number |
23750192
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
廣原 志保 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (70413804)
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Keywords | 放射線治療 / X線 / X線増感剤 / 糖連結ポルフィリン金属錯体 / α-トコフェロール / ラット胃癌用細胞株 / ラット正常胃粘膜細胞株 |
Research Abstract |
本研究課題では、放射線治療に用いるX線の照射線量を下げるべくポルフィリン金属錯体をX線増感剤として用いたX線増感型放射線治療を検討している。 本研究では、X線増感剤の候補薬剤としてグルコース連結ポルフィリン金属錯体(金属錯体)27種類を合成した。合成した金属錯体についてラット正常胃粘膜上皮細胞株(RGM-1)及びMNNG添加により得られた胃癌様変異株(RGK-1)を用いたX線増感試験を行い、中心金属(H2, Zn, Pd, Pt)、置換基(S連結、O連結、triazol環)および置換数と位置(1, cis-2, trans-2, 3, 4)についてX線増感能を比較した。また金属錯体の副作用となる光細胞毒性能を抑制するためにα-トコフェロールを共存させた系についても検討した。 X線増感試験は、RGM細胞株及びRGK細胞株(1×10^4 cells/well)に5 μMの金属錯体を24時間接触後、X線15 Gy (Al, t 0.5 mAl, t0.5 mm filter, 5 mA, 130 kV)を照射し、照射24時間後WST-8アッセイにより細胞生存率を求めた。 X線増感試験の結果、ほぼすべての金属錯体はRGM細胞株よりもRGK細胞株に高い取り込み量と高いX線増感効果を示した。中心金属を比較したところ、高いX線吸収効率を示すと推測された白金体が最も高いX線増感効果を示した。一方、糖の置換数や連結部位による殺傷効果の違いは見られなかった。また、α-トコフェロールを100 mM共存させることで、金属錯体の副作用である光細胞毒性能を止めることに成功した。 以上の結果、開発したグルコース連結ポルフィリン白金錯体がX線増感剤として期待でき、新たな放射線治療法の可能性が示唆された。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Trans-Bisglyco- conjugation is an Efficient and Robust Architecture for PDT Photosensitizers based on 5,10,15,20-Tetrakis(pentafluorophenyl)porphyrin Derivatives2013
Author(s)
S. Hirohara, K. Sharyo, Y. Kawasaki, M. Totani, A. Tomotsuka, R. Funasako, N. Yasui, Y. Hasegawa, J. Yuasa, T. Nakashima, T. Kawai, C. Oka, M. Kawaichi, M. Obata, M. Tanihara
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Journal Title
Bull. Chem. Soc. Jpn.
Volume: 86
Pages: 1295-1308
DOI
Peer Reviewed
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