2013 Fiscal Year Annual Research Report
DNA上の疎水空間配列を用いた機能分子集積法の開発
Project/Area Number |
23750198
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
高田 忠雄 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60511699)
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Keywords | DNA / 超分子化学 / 電子移動 / 光電流 / 機能性色素 |
Research Abstract |
DNA内部に人工的に導入した疎水空間を機能性色素分子が結合する場として利用することで、DNAへの位置特異的な分子結合を実現し、疎水空間の配列に基づく機能分子の集積を通じた機能性DNAの構築と構造・機能評価を目的に研究を行った。機能性色素として、カチオン性側鎖を有する水溶性ペリレンジイミドを選び、塩基部を持たないデオキシリボスペーサーペアーを導入することでDNA内部に疎水空間を導入した。各種スペクトル測定から、DNA内部に導入された空間サイズに応じてペリレンジイミドの積層会合体が形成されることが分かった。この手法によって構築したペリレンジイミド-DNA複合体の光化学的特性について、光電流測定法、フェムト秒レーザー時間分解過渡吸収測定法を用いて詳細に調べた。複合体を表面に修飾した電極を作製し、光を照射したときに生じる電流を計測した結果、ペリレンジイミド単量体と比較して、二量体、三量体と会合体が形成されることで光電流が大幅に増加することが分かった。より詳細な機構を明らかにするために、フェムト秒レーザーを用いた過渡吸収測定によって光励起直後の過渡状態を観測し、励起状態の反応を調べた。その結果、ペリレンジイミドが二量体、三量体とスタックした構造体を形成すると電荷の非局在化によって電荷分離状態の寿命が大幅に増加することが分かり、この効果によって光電流発生の効率が上昇することが示された。したがって、機能性分子の積層構造体を構築することで優れた光電子移動特性を示すことが示された。
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Research Products
(7 results)