2011 Fiscal Year Research-status Report
奥行き距離を考慮した動オブジェクト抽出法とその応用技術の開発
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23760331
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
今村 幸祐 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (00324096)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 動オブジェクト抽出 / レベルセット法 / 奥行き情報 |
Research Abstract |
平成23年度の目標は,奥行き情報を考慮したレベルセット法による動オブジェクト抽出法の確立と精度向上である.当該年度は「奥行き情報を考慮した補助関数更新式の設計」および「ノイズ分布に基づく背景領域推定による抽出精度の向上」の2点を中心に検討を行った. まず,レベルセットによる動オブジェクト抽出手法では,一般的にフレーム間差分情報を用いるのが一般的である.しかし,フレーム間差分情報の利用だけでは,十分な抽出精度を得て,かつ uncovered background や occlusion の問題を解決することが難しい.そのため新たに単眼カメラから得た奥行き情報やエッジ情報を利用して抽出精度の向上を試みる.そのためには,まず奥行き情報やエッジ情報をいかにレベルセット法の補助関数更新式にいかに取り入れるかが重要である.このための新たな補助関数更新式を設計し,その検証を行った.また,画面内に存在するノイズは抽出輪郭の精度に影響するだけでなく,多数のノイズ小領域の発生と安定した収束の妨害等の悪影響の要因となっている.そこで,静止領域からノイズ分布を推定し,推定されたノイズ分布に基づいて,静止領域とそれ以外の領域をおおまかに分離する背景領域推定を取り入れる手法を提案した.これにより,背景領域のノイズの影響を除去し,処理の高速化と精度の向上を実現した. 一方,動きのクラスタリングに基づく動オブジェクト抽出手法についても,同様に奥行き情報を考慮した精度改善および応用技術への展開が可能となると考えられるため,x-means クラスタリングを用いた動オブジェクト分割手法についても合わせて検討を行った.この手法は抽出する動オブジェクト数を自動的に決定することも可能となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究において,レベルセット法の補助関数更新式へフレーム間差分情報だけでなく,奥行情報およびエッジ情報の導入を行い,その効果の検証をおこなった.また,ノイズ分布に基づいた背景領域推定についても検証を行い,その効果が確認できた.また,クラスタリングに基づく手法についても検討が進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き提案する動オブジェクト抽出法の精度向上の検討を進める.また,当該年度に検討を行った動オブジェクト抽出手法に基づいた応用技術についても検討を行う.具体的には,得られた奥行情報を利用した2D3D映像変換技術への適用である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
設備備品として,2D3D映像変換技術の評価のために立体視映像表示機器を購入する.残りの研究費については,研究成果の発表のための経費と必要な消耗品に充てる.
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Research Products
(3 results)