2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23760796
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
実松 健造 独立行政法人産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 主任研究員 (40462840)
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Keywords | 希土類 / イオン吸着鉱 / 資源 / 鉱床 / 花崗岩 / 風化 / 吸着 / ミャンマー |
Research Abstract |
イオン吸着型希土類鉱の原岩の地球化学的・鉱物学的特徴を明らかにし、探査へ応用するために、ミャンマー国南部で採取した花崗岩類の全岩化学組成分析とSEM-EDSを用いた希土類含有鉱物の同定及び産状の観察を行った。 これらの花崗岩類は昨年度の当該事業において主にMon州とMandalay管区から採取されたものであり、多くは普通角閃石花崗閃緑岩や黒雲母花崗岩から構成され、一部の黒雲母花崗岩は片麻岩質であった。花崗岩類のSiO2含有量は62.5 - 76.5%と幅広く、アルミナ飽和度は片麻岩質ものを除くと1.1未満でいわゆるI-type花崗岩の特徴を示す。希土類含有量は60~662ppmであり、軽希土類または重希土類の相対的な濃集を示すLaN/YbN比(Nはコンドライトによる規格化)は0.10~51.4であった。今回は広域的で花崗岩類を形成したマグマは多様であり、希土類含有量はそれぞれのマグマの部分溶融度の違いも多少反映すると考えられるが、LaN/YbN比に表される重希土類の濃集は結晶分化作用の影響を強く受けていた。中国の重希土類に富むイオン吸着鉱の原岩のように特に重希土類に富む花崗岩(LaN/YbN<~3.0)は、結晶分化作用が進んだもの(SiO2>~75%)に限られた。このような花崗岩が適度に風化すると重希土類資源として有望となるが、露出面積が限られている上、風化殻の厚さも薄い(5m以下が多い)ため、その資源量は多くはないと考えられる。 SEM-EDSによる観察・鉱物の半定性分析の結果、黒雲母花崗岩中には褐レン石-(Ce)、リン灰石、チタン石、ジルコンが主要な希土類含有鉱物であった。特に分化した花崗岩においては、褐レン石-(Ce)やチタン石がまれとなる一方、熱水性の希土類フッ素炭酸塩、モナズ石、ゼノタイム、褐レン石-(Y)らしき鉱物などが確認された。
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Research Products
(6 results)