2012 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスセンサータンパク質RIG-Iの機能解明および医学的応用
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23770113
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 清大 京都大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (90399965)
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Keywords | インターフェロン / RIG-I / 構造解析 |
Research Abstract |
2011年度はRIG-Iの新規ドメインを発見し、このドメインがRIG-Iの活性を制御していることを明らかにした。 昨年度の報告の通り当研究の目的はRIG-Iの構造解析を通した機能解明である。しかしながら、複数のグループによりRIG-Iの構造解析の結果が報告されたため、大きく方向転換をする必要があった。 そこで、本研究ではRIG-Iのシグナル伝達に関わる、新規タンパク質の発見を目的に研究を行った。最終的な目的は発見された新規タンパク質の構造解析を通した機能解明である。2012年度はウイルス感染時にRIG-Iにより活性化され、自然免疫を誘導する因子であるIPS-1を人為的に活性化させる系を構築し、IPS-1によって誘導される遺伝子の網羅的解明を行った。具体的には、IPS-1のアミノ末端にFKBPと呼ばれるタンパク質を三回繰り返しで融合し、融合タンパク質として哺乳細胞に恒常的に発現させる系を作成した。FKBPは低分子AP20187を加えることで二量体を形成する。IPS-1は多量体化によって活性化を受けるため、この系を用いることで人為的にIPS-1を活性化することができる。すなわち、ウイルス感染における自然免疫誘導を人為的に行える。 この系により誘導される遺伝子の解析を、本年度はマイクロアレイを用いて解析した。この結果、複数の新規因子がRIG-Iシグナルに関わる可能性が示唆された。現在は、この新規タンパク質についてより詳しい機能解明を行っている。
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