2011 Fiscal Year Research-status Report
有機物投入における水稲根系の発生・枯死が生育・収量と炭素貯留に及ぼす影響
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23780013
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田島 亮介 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (60530144)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 根系 / 水稲 / 有機栽培 |
Research Abstract |
有機質肥料施用水稲栽培における水稲の生育・収量および発生・枯死を含めた根の動態を圃場試験を元に明らかにするとともに、その結果に基づき、水田における土壌炭素の蓄積との関係について試算した.方法として,水稲ひとめぼれを枠栽培し,水生育および根系の現存量,根の発生・枯死の推移について有機質肥料区(有機区)と化学肥料区(化肥区)で調査した.収穫期には収量と収量構成要素部位別の乾物重を調査した.なお,根の発生・枯死の評価にはイングロース・コア法を用いた.その結果有機区が化肥区よりも茎数が少なく収量が低い傾向があった。根系の現存量に処理間で大きな差異は見られなかったが,根の発生量と枯死量は、生育前半では有機区で大きかった.両年ともに生育後半に根の発生が観察された.これらの調査結果に基づいて,RothCを使い,有機質肥料区と化学肥料区の今後100年間での土壌炭素動態を推定すると,有機区で土壌炭素蓄積量が大きくなっていく傾向がみられた.この差は,有機質肥料そのものからの炭素投入によっても生じていたが、生育期間中の枯死根が土壌炭素へ加わると見なすと、土壌炭素蓄積量がさらに大きくなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
根系の発生・枯死の評価がおおむねできた.有機質肥料の施用が根に与える影響を限定的ではあるものの定量的に評価することもでき,土壌炭素蓄積との関連も考察できている
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Strategy for Future Research Activity |
試験結果に基づいて有機質肥料施用の水稲根系の動態が土壌炭素におよぼす影響について,さらに検討を進める
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の結果の国際学会発表や評価方法の検討等に使用する.
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