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2011 Fiscal Year Research-status Report

個体ベースモデルによるランドスケープレベルの作物病害の拡散動態推定

Research Project

Project/Area Number 23780052
Research InstitutionJapan International Research Center for Agricultural Sciences

Principal Investigator

小堀 陽一  独立行政法人国際農林水産業研究センター, 熱帯・島嶼研究拠点, 主任研究員 (50414628)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords応用昆虫 / 植物病理 / シミュレーション
Research Abstract

昆虫により伝搬され、感染後の治療が不可能な作物病害の被害が世界的に拡大している。その中でも、ミカンキジラミが伝搬する細菌によって引き起こされるカンキツグリーニング病は、世界規模の被害拡大が続いており防除対策の確立が急務である。そこで本研究の研究代表者らは、単一の圃場内における同病の拡散動態を予測するシミュレーションモデルを開発し、その合理的な防除対策を提案した。しかし、様々な条件でのシミュレーションを行ったところ、同病の伝搬能を持った媒介虫が恒常的に侵入してくる圃場では、現実的に実施可能な最も合理的な防除手段を講じても、その効果はまん延状態に至るまでの期間を長期化するに留まり、まん延を阻止できないこと、つまり各圃場単位の防除には限界があることが予測された。 そこで本研究では、これまでに開発したモデルを発展させ、ランドスケープレベルでの拡散動態を予測するモデルを開発する。開発されたモデルに現実の病害虫防除手段を組み込み、その予測結果から合理的な防除戦略を提案するとともに、拡散速度に大きな影響を及ぼすパラメータ、すなわち同病の弱点を見出すことで新たな防除技術を開発する手掛かりを示す。 本年度は、プログラム開発とモデルの検証を行った。はじめに、既存のプログラムを発展させ、ランドスケープレベルで同病の拡散動態を予測するためのプログラムを開発した。次に、暫定的なパラメータをプログラムに組み込むことで得られたシミュレーション結果と、現実の同病の拡散動態および媒介虫の移動分散データを比較し、モデルの検証を行った。その結果、暫定的なモデルでは、媒介虫の圃場間の移動分散が十分再現されないことが原因で、同病の圃場間の拡散動態の予測結果が現実と大きく異なることが判明した。そこで、既存のデータの再解析および新たな実験を行い、その結果からパラメータおよびプログラムを改善した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、1.これまでに開発したモデルを発展させ、媒介虫個体群およびカンキツグリーニング病の罹病樹がどのような拡がりを示すかを、ランドスケープレベルで出力するプログラムを開発する、2.開発されたモデルの検証とパラメータの再検討を行う、という計画であった。 モデルの検証の結果、パラメータの再検討だけでは媒介虫の圃場間の移動分散を再現出来ないことが判明したが、プログラムをさらに改良することで問題を解決することができた。 以上より、本研究はおおむね順調に進展している、と自己評価した。

Strategy for Future Research Activity

これまでに開発されたモデルを用いて、ランドスケープレベルでカンキツグリーニング病の拡散を抑制できる可能性が高い防除手段の組み合わせを検討する。具体的には、モデル内に複数の仮想圃場を設定し、仮想の防除手段を導入してその効果を定量的に推定する。加えて、新たな防除手段を開発する手掛かりを得るため、媒介虫の移動分散距離と頻度および病原細菌伝搬率、罹病樹が伝染源能を持つに至る時間などのパラメータを任意に変化させて計算を繰り返し、拡散動態に大きな影響を及ぼすパラメータを明らかにする。 得られた成果については、速やかに国内外の学会および学術雑誌などで公表する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

媒介虫の移動分散に関する研究を専門にしている研究者との研究打ち合わせおよび海外の学会に出席するための旅費を計上していたが、当該研究者との事前打ち合わせの結果、次年度開催予定の国際学会に双方が参加し、そこで打ち合わせをしたほうがよりよい、との結論に至った。そのため、本年度の予算執行を見送り、次年度に同予算を使用して学会に参加することとした。また、プログラム開発および改良のための、研究協力者が所属する機関への出張について、メール等を利用した打ち合わせを繰り返すことで、その期間が短縮された。 次年度は、本年度開発されたモデルを用いて、ランドスケープレベルでカンキツグリーニング病の拡散を抑制できる可能性が高い防除手段の組み合わせを検討する。このことについて、期間内により多くの条件での検討を可能にするため、シミュレーション結果等のデータ整理作業を行う研究協力者を一時的に雇用する。このための予算は、本年度の出張計画の変更により節約できた予算等を充てる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 個体ベースモデルによる激発地におけるカンキツグリーニング病防除手段の検討2012

    • Author(s)
      小堀陽一・高須夫悟・大藤泰雄
    • Organizer
      第56回日本応用動物昆虫学会大会
    • Place of Presentation
      近畿大学農学部
    • Year and Date
      2012年3月29日
  • [Book] Zoology2012

    • Author(s)
      Youichi Kobori, Fugo Takasu and Yasuo Ohto
    • Total Pages
      87-102
    • Publisher
      InTech

URL: 

Published: 2013-07-10  

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