2013 Fiscal Year Annual Research Report
質的・量的フェノロジーが東南アジア熱帯季節林の水・炭素交換に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
23780161
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉藤 奈津子 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教務補佐員 (80514223)
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Keywords | 熱帯季節林 / ガス交換 / フェノロジー / 蒸散 / 光合成 / フラックス |
Research Abstract |
雨季乾季の明瞭な熱帯季節林において、群落スケールの水・CO2フラックスの季節変化に対し、光合成・蒸散器官である葉量の変化(量的フェノロジー)、個葉の光合成能力や蒸散特性の季節変化(質的フェノロジー)、気象の変化に伴う気孔開度の調整(生理的環境応答)が、それぞれどのような影響を与えているのかを明らかにするため、タイ北部の落葉性熱帯季節林(チーク人工林)で、①群落スケールの水・CO2フラックス計測、②LAI計測、③個葉の光合成・蒸散特性に関わるパラメータの計測を行った。比較対象としてタイ北部の丘陵性常緑季節林でも計測を行った。 落葉性チーク林では、展葉によるLAIの増加に伴い蒸散量や純生態系生産量が増加するが、展葉・蒸散開始時期は大きく年々変動し、降雨に伴う土壌水分増加がそのトリガーとなること、降雨開始の早い年ほど土壌水分増加から展葉・蒸散開始までのタイムラグが長くなること、がわかった。乾季には落葉によるLAI低下よりも早く蒸散量や純生態系生産量が低下するが、このとき樹冠上部の葉の電子伝達速度や葉面積当りの窒素量にはまだ明瞭な低下は見られず、群落コンダクタンスは低下していたことから、蒸散量や光合成量の初期の低下は、LAIや葉の光合成能力の低下によるのではなく、主に乾燥に伴う気孔コンダクタンスの低下が原因であることがわかった。以上のことから、落葉性チーク人工林では、雨季乾季に伴う水分環境の変化に対する樹木の生理的応答が、蒸散量や炭素収支の季節変化の重要な制御要因となっていることがわかった。 本課題の研究期間はH23-26度の予定であったが、H26度以降は「同位体年輪分析による落葉・常緑熱帯林の気象・生理的環境応答の長期変動履歴の解明」(H26-29度基盤B)に引き継がれ、本課題はH25で終了する。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Inter-annual variation in the response of leaf-out onset to soil moisture increase in a teak plantation in northern Thailand2014
Author(s)
Yoshifuji, N., Igarashi, Y., Tanaka, N., Tanaka, K., Sato, T., Tantasirin, C., Suzuki, M.
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Journal Title
International Journal of Biometeorology
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed