2013 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスを用いたシャトネラ赤潮消長関連タンパク質の探索
Project/Area Number |
23780197
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
島崎 洋平 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40363329)
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Keywords | シャトネラ / プロテオミクス / 光合成活性 |
Research Abstract |
本課題では有害藻類シャトネラの赤潮消長予測を目的として、光合成に関連したタンパク質の発現変動を指標とした細胞活力評価法の開発を目指している。本年度は実験計画のうち、<実験3>増殖段階で変動したタンパク質の遺伝子配列解析、<実験4>実環境(有明海)におけるシャトネラ調査と細胞のサンプリング、<実験5>実環境サンプルのタンパク質・遺伝子発現解析とデータ整理・解釈を計画していた。 本年度の<実験3>については当初N末端アミノ酸配列情報によるRACE法を用いた配列解析を予定していたが、所属機関において次世代シーケンサーが使用可能となったため、発現遺伝子群の網羅的解析を実施中である。<実験4>については、有明海においてシャトネラ赤潮が発生したが、シャトネラの捕食者による影響と推察される急激な細胞数の減少が観察され、調査予定日に十分な細胞数の海水が入手できなかった。そのためH24年度分のサンプルについて、<実験5>を昨年度から継続的に実施した。その結果、現場シャトネラの増殖速度、光合成活性と、peroxidoredoxinのタンパク質量との間に正の相関が観察された。 以上、室内培養試験および現場赤潮調査を通して、過酸化水素消去酵素peroxidoredoxinのタンパク量が増殖能力評価指標として有用であることが示唆され、さらに光合成活性(Fv/Fm比)も現場赤潮のシャトネラの増殖能力評価指標として極めて有望であることが示された。また、peroxidoredoxinの他に、増殖能力と有意な相関があるタンパク質が他に多数存在しており、タンパク質のN末端配列情報および次世代シーケンスによる配列情報をもとに、継続的にこれらの同定を行っていく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Thiobencarb Herbicide Reduces Growth, Photosynthetic Activity, and Amount of Rieske Iron-Sulfur Protein in the Diatom Thalassiosira pseudonana.2013
Author(s)
Shimasaki Y, Tsuyama M, Tasmin R, Qiu X, Shimizu M, Sato Y, Yamasaki Y, Kato-Unoki Y, Nukata A, Nakashima T, Ichinose H, Wariishi H, Honjo T, Oshima Y.
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Journal Title
Journal of Biochemical and Molecular Toxicology
Volume: 27
Pages: 437-444
DOI
Peer Reviewed
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