2013 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザウイルスと抗体の相互作用の解析と抗原変異予測への応用
Project/Area Number |
23780305
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
五十嵐 学 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 特任助教 (10374240)
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Keywords | インフルエンザ / ウイルス / 抗体 / 分子動力学シミュレーション / 分子間相互作用 / 抗原変異 |
Research Abstract |
本研究では、インフルエンザウイルスの主要抗原であるヘマグルチニン(HA)とそのモノクローナル抗体(mAb)に焦点をあて、ウイルスがmAbからエスケープする際に起こるHA上のアミノ酸置換の特徴を明らかにすることを目的とし、アミノ酸置換に伴うHA-mAb複 合体の相互作用変化を計算科学的手法により解析した。 まず、結晶構造がすでに解かれているHA-mAb複合体構造を初期構造として、20ナノ秒の分子動力学計算を行い、MM/GBSA法により、HAと抗体との結合自由エネルギーを計算した。また、ウイルス学実験でエスケープ変異に観測されたアミノ酸置換を、コンピュータ上でHA-mAb複合体構造に導入し、変異型HA-mAb複合体構造を構築した。これを初期構造として、同様に20ナノ秒の分子動力学計算を行い、結合自由エネルギーを計算した。 その結果、野生型と比べて変異型HAでは、mAbとの結合自由エネルギーが不安定化することが確認できた。さらに、野生型HAとmAbとの相互作用に関与する残基を調べた結果、相互作用に強く関与しているHA上のアミノ酸残基で、エスケープ変異が起きていることが分かった。また、変異型HAとmAbとの相互作用残基の解析から、変異したアミノ酸残基そのものだけではなく、変異によって周りのアミノ酸残基に影響し、相互作用が低下していることが分かった。これらの結果から、抗原抗体反応の結果生じるエスケープ変異株のアミノ酸置換を予測できる可能性が示唆された。
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[Journal Article] Cysteine Residues in the Major Capsid Protein, Vp1, of the JC Virus Are Important for Protein Stability and Oligomer Formation2013
Author(s)
Kobayashi S, Suzuki T, Igarashi M, Orba Y, Ohtake N, Nagakawa K, Niikura K, Kimura T, Kasamatsu H, Sawa H
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Journal Title
PLoS One
Volume: 8(10)
Pages: e76668
DOI
Peer Reviewed
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