2012 Fiscal Year Research-status Report
ホスホコリンシチジリルトランスフェラーゼの活性化制御機構と分泌系機能調整の解析
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23780348
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
荒井 斉祐 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30528261)
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Keywords | ホスホコリンシチジリルトランスフェラーゼ / 小胞輸送 |
Research Abstract |
真核生物において細胞内Phosphatidylcholine量の制御は非常に厳密に行われているが、詳細は不明である。申請者は、この制御機構を解明する為、PC合成経路において、合成量に関与している律速酵素Phosphocholine cytidylyltransferase(CCT)、特に本申請研究ではCCTβの活性化制御機構を解析した。CCTβは、細胞質においてリン酸化状態で存在し、立体構造変化に伴って小胞体膜へトランスロケーションし、膜上でCCTβは、セリン/スレオニンホスファターゼPP2Cεにより脱リン酸化された。これにより、CCTβは、膜への結合、リン酸化状態の変化により、その活性/非活性状態を制御している事が示された。 また、CCTβ発現抑制は、分泌系タンパク質 (カーゴ) の輸送異常という予想外の表現型をもたらした。この表現型を解析する為に、ERESにおけるCOPIIの交換反応を、Sec13-YFPのFRAP解析により計測した。その結果、CCTβ発現抑制細胞において、Sec13の交換反応が著しく低下しており、また、PP2Cε発現抑制においても同様であった。また、この現象は、CCTβの脱リン酸化フォームではレスキュー出来るが、リン酸化フォームではレスキュー出来なかった。これらの結果より、直接的な関与が示されていなかったリン脂質とカーゴの成熟の関係について、CCTβの脱リン酸化が小胞輸送において必要である事が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請研究における目的は、ほぼ達成したと思える。現在、論文投稿準備中であり、申請期間中に投稿出来なかった為、(2)おおむね順調に進展している。とした。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の計画には無かったCCTβの活性化に必要なドメインの特定、及び、その変異体の取得に成功しており、今後は、このドメイン解析を主軸として、より詳細なCCTβ活性化制御機構を明らかとする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
CCTの活性化制御機構の解析結果、及び、分泌系との関係について、学会発表、原著論文の投稿を行い、これらの経費に当てる事とする。
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