2013 Fiscal Year Annual Research Report
ホスホコリンシチジリルトランスフェラーゼの活性化制御機構と分泌系機能調整の解析
Project/Area Number |
23780348
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
荒井 斉祐 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30528261)
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Keywords | ホスホコリンシチジリルトランスフェラーゼ / 小胞輸送 |
Research Abstract |
Phosphatidylcholine(PC)合成経路において律速酵素として機能するPhosphocholine cytidylyltransferase(CCT)には,αとβの2つのアイソフォームが存在する.本年度は,CCTβ発現抑制により分泌系タンパク質の輸送異常が引き起こされる原因を解析し,PC合成系とタンパク質輸送系のクロストークを解明する事を目的とした.真核細胞における小胞体からゴルジ体への輸送を担うCOPII小胞は,細胞質中にある3種類の成分,コート形成を開始させるSar1-GTP,カーゴの選択を行うSec23/24,コートの重合と膜の変形を引き起こすSec13/31,が小胞体へと順番に移行し,小胞体膜上で形成される.これら構成成分の小胞体膜上に形成されたERESと細胞質プールとの交換反応について,Fluorescence Loss in Photobleaching(FLIP)とFRAP(Fluorescence Recovery after Photobleaching)により計測した.その結果,CCTβ発現抑制によりSec13の交換反応にのみ著しい低下が生じ,また,CCTβの脱リン酸化酵素であるPP2Cε発現抑制でも同様の現象が確認された.更に,CCTβ発現抑制のレスキュー実験を行った結果,CCTβ脱リン酸化フォームは,これらの表現型を回復可能であるが,リン酸化フォーム導入では輸送異常が生じたままであった.この事より,PP2Cεにより脱リン酸化されたCCTβは,COPII小胞においてSec23/24へのSec13/31の結合を制御している事を示唆する結果が得られた.
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