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2011 Fiscal Year Research-status Report

神経発達障害に関連するサイトカイン誘導性膜タンパク質IFITM3のシグナル解析

Research Project

Project/Area Number 23790290
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

中島 晶  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (20419237)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
KeywordsIFITM3 / Toll様受容体 / アストログリア / サイトカイン / 神経炎症
Research Abstract

培養アストログリア細胞においてPolyI:C処置により発現が誘導されたサイトカインであるIFN-β、IL-1βおよびTNF-αをアストログリア細胞に処置すると濃度依存的にIFITM3遺伝子の発現が増加した。一方、PolyI:C処置により発現変化がなかったサイトカインであるIL-6およびIL-10を処置してもIFITM3遺伝子の発現に変化は認められなかった。また、PolyI:C処置により発現が減少したサイトカインであるIL-4を処置しても同様にIFITM3遺伝子の発現に変化は認められなかった。また、PolyI:CはTLR3, MDA5及びRIG-I の3つの分子により認識される事が明らかとなっているが、IFN-β、IL-1βやTNF-αを培養アストログリア細胞に24時間処置したところ、IFITM3と同様にTLR3, MDA5およびRIG-Iの遺伝子発現を上昇させた。一方、IL-6およびIL-10、あるいはIL-4を処置してもTLR3, MDA5およびRIG-Iの遺伝子発現に変化は認められなかった。これらの結果は、アストログリア細胞においてIFN-β、IL-1βやTNF-α等のサイトカインにより、ポジティブフィードバックが誘導されている可能性を示唆するものであり、本研究成果はウイルス感染後のアストログリア細胞の応答機構の解明に寄与するものと考える。また、IFITM3と相互作用するタンパク質を同定するため、PolyI:C処置後のマウス脳ホモジネートにおいて抗IFITM3抗体を用いた免疫沈降を行い、共免疫沈降してきたタンパク質の質量分析器による網羅的な解析を行った。その結果、エンドサイトーシスやエキソサイトーシスに関連するタンパク質等の有力なIFITM3結合候補タンパク質を見出した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ウイルス感染や細菌感染時のアストログリア細胞においてIFITM3 が誘導され、その発現誘導にはIFN-β、IL-1βおよびTNF-α等のサイトカインが関与する可能性を示唆する結果を得た。また、IFITM3と相互作用するタンパク質を同定するため、PolyI:C処置後のマウス脳ホモジネートにおいて抗IFITM3抗体を用いた免疫沈降を行い、共免疫沈降してきたタンパク質の質量分析器による網羅的な解析を行ったところ、エンドサイトーシスやエキソサイトーシスに関連するタンパク質やリン酸化・脱リン酸化に関わるタンパク質等の有力なIFITM3結合候補タンパク質を見出した。これらの結果は、IFITM3 の誘導シグナルおよび下流シグナルの解明に大きく貢献するものである。

Strategy for Future Research Activity

今後は、IFN-β、IL-1βやTNF-α等の中和抗体を用いて、PolyI:C誘導性IFITM3遺伝子発現における、これらサイトカインの寄与の程度を明らかにする。また、PolyI:C及びIFN-β、IL-1β、TNF-α等のサイトカインにより活性化される細胞内シグナル分子であるNFκB, extracellular signal-regulated kinase (ERK), phosphatidylinositol 3-kinase (PI3K) 等に対するsiRNAや阻害剤を用いて、PolyI:C及びサイトカインによるIFITM3の発現増加に関与する細胞内シグナル伝達経路を明らかにする。さらに、IFITM3結合タンパク質を明らかにするため、PolyI:C処置後のマウス脳ホモジネートにおいて抗IFITM3抗体を用いた免疫沈降を行い、今年度明らかにしたIFITM3結合候補タンパク質(共免疫沈降してきたタンパク質)との相互作用に関して詳細な検討を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

細胞培養のためのプラスチック器具、分子生物試薬代や免疫沈降、ウェスタンブロッティング等のIFITM3結合タンパク質解析のための試薬代に充てる。また、論文投稿のための投稿費用や印刷費用に使用する。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 培養アストログリア細胞におけるToll様受容体刺激は神経発達障害関連膜タンパク質IFITM3の発現を誘導する

    • Author(s)
      中島晶、衣斐大祐、永井拓、鍋島俊隆、山田清文
    • Organizer
      第85回日本薬理学会年会
    • Place of Presentation
      京都国際会館
    • Year and Date
      平成24年3月16日
  • [Presentation] 神経発達障害に関連する膜タンパク質IFITM3のTLRリガンドによる発現誘導

    • Author(s)
      中島晶、衣斐大祐、永井拓、鍋島俊隆、山田清文
    • Organizer
      第41回日本神経精神薬理学会
    • Place of Presentation
      東京(京王プラザホテル)
    • Year and Date
      平成23年10月29日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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