2011 Fiscal Year Research-status Report
次世代シーケンサーを用いたパーキンソン病の遺伝因子に関する研究
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23790384
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三井 純 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (70579862)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 疾患感受性遺伝子 |
Research Abstract |
パーキンソン病患者64例のゲノムDNAサンプルを8×8の二次元マトリックスに配置し,各8行8列ごとにサンプルのpoolingを行い,計16セットのpooled DNAを作成した.それぞれのセットごとに標的となるライソゾーム遺伝子(6遺伝子,計41.5 kb)をPCRで増幅し,Illumina GAIIx,single end,100 bpで配列解析を行った.得られたリードをBWAで標的領域の参照配列に対してマッピングした.変異の検出にあたっては,サイクル数やquality valueなどでフィルターをかけ,質の高い配列を採用し,各行各列で変異の推定値を求めた.整数計画法を用いて二乗誤差が最小になるような整数解を求め,変異の個数・サンプルとの対応が可能か試みた.実験データを検証するため,1つの遺伝子(ARSA)を対象に全サンプルについて標的領域のサンガ―法による直接塩基配列解析を行い検証した.ARSA領域には合計7個の変異がコールされており,うち6個はdbSNPに登録されており,1個は新規の変異であった.この新規の変異はサンプル番号42番のみが持っていると推定されており,実際にサンガー法による解析でも確認された.他の遺伝子についても同様に新規の変異を調べたところ,ARSA,NPC1,PPGB,GLAのそれぞれに1個ずつアミノ酸置換を伴う新規の変異を認めた.やはり同様にサンガー法による解析を行い,すべての個所で変異が確認され,かつ推定されたサンプルに確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
もともと患者サンプルのリソースがあり,すぐに実験を始められたため.
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Strategy for Future Research Activity |
マトリックスによるpooling法を用いて,頻度の低い変異の検出と対応するサンプルの同定について検討した.偽陰性の可能性も考慮しなくてはならないが,比較的簡便に大規模サンプルのスクリーニングが可能になる点で有用ではないかと考えた.今後は同定された変異に着目して,サンプル規模を大きくして関連解析を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
サンガー法による配列解析を中心に行うので,シーケンス試薬の消耗品などが中心になる.
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