2012 Fiscal Year Annual Research Report
次世代シーケンサーを用いたパーキンソン病の遺伝因子に関する研究
Project/Area Number |
23790384
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三井 純 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70579862)
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Keywords | 関連解析 / ゲノム |
Research Abstract |
パーキンソン病患者64例のゲノムDNAサンプルを8×8の二次元マトリックスに配置し,各8行8列ごとにサンプルのpoolingを行い,計16セットのpooled DNAを作成した.それぞれのセットごとに標的となるライソゾーム遺伝子6領域をPCRで増幅し,Illumina GAIIx,single end,100 bpで配列解析を行った.得られたリードをBWAで標的領域の参照配列に対してマッピングした.変異の検出にあたっては,整数計画法を用いて二乗誤差が最小になるような各行各列で変異のアレル数の推定値を求めた.特にdbSNP130に登録のない変異に注目したところ,検索した範囲で3個の変異が同定され,いずれも64例中1例にヘテロ接合性に認められた.うち1個はファブリー病との関連が示唆される機能的変異(GLA遺伝子, E66Q変異)で,残り2個は多型・病原性変異データベースに登録のない変異だった.ファブリー病との関連も示唆されている機能的変異であることから, GLA遺伝子に注目して,サンプル数を増やしてGLA遺伝子のシーケンス解析を行い,同定された変異で関連解析を行った.対象はパーキンソン病患者182例,対照者275例である. GLA遺伝子の全エクソンのシーケンス解析を行ったところ,E66Q変異のみが同定された.同変異はパーキンソン病患者群で260アレル中4アレル(アレル頻度1.5%),対照者群399アレル中2アレル(アレル頻度0.5%)で認められた.同変異はパーキンソン病患者群でやや多い傾向があったが,関連性はp値0.34と有意な関連は示されなかった.本研究において,サンプル群の中から効率よく,頻度の低い変異を同定する方法を確立できた.得られた候補変異について,関連解析を行ったが,サンプル規模の小ささもあり,統計学的な有意差は得られなかった.
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] CSF1R mutations identified in three families with autosomal dominantly inherited leukoencephalopathy.2012
Author(s)
Mitsui J, Matsukawa T, Ishiura H, Higasa K, Yoshimura J, Saito TL, Ahsan B, Takahashi Y, Goto J, Iwata A, Niimi Y, Riku Y, Goto Y, Mano K, Yoshida M, Morishita S, Tsuji S.
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Journal Title
Am J Med Genet B Neuropsychiatr Genet.
Volume: 159B(8)
Pages: 951-7
DOI
Peer Reviewed
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