2012 Fiscal Year Annual Research Report
ファージディスプレイ法を用いた病理標本上での予後因子検索
Project/Area Number |
23790392
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
阿部 晋也 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70596725)
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Keywords | ファージディスプレイ / MDS / 抗体療法 / 免疫染色 |
Research Abstract |
ファージディスプレイ法は、一本鎖を表面に提示するファージをライブラリ化したものであり、理論上はどのような抗原に対する抗体も単離できる、非常に画期的な手法である。しかし、この方法は病理組織学的手法には積極的に応用されていない。そこで、病理切片などの病態が可視化できる人体材料を抗原としてファージ抗体の選択を行うことで疾患特異的に結合する「抗疾特異的患抗体」を作製することが可能ではないかと考えられた。さらにこの抗体をモノクローンにし、結合する抗原を同定することで疾患関連分子、予後因子の検索が可能になると考えられる。さらに得られた抗体が、細胞表面抗原などであった場合、そのまま抗体医薬化できる可能性もある。 本研究では骨髄異形成症候群(MDS)症例の骨髄材料を用いて「予後不良MDS特異的抗体」の作製を目標とした。まず正常骨髄のティシューマイクロアレイにファージライブラリを反応させ、結合しないクローンのみを選択し(1stブロッキング)これを大腸菌TG1に感染させ、選択したファージのみを増殖させる。次に得られたクローンを予後良好骨髄のティシューマイクロアレイと反応させ、同様に結合しないクローンを回収し(2ndブロッキング)、同様の作業を行って、選択したファージを増やす。さらにこれを予後不良の骨髄と反応させ、ここでは予後不良骨髄のティシューマイクロアレイと結合するクローンのみを回収した。この工程を5回繰り返すことで、予後不良の骨髄標本にのみ結合できるファージ抗体を約3000クローン得ることができた。得られたクローン数が予想よりかなり多かったため予後不良因子の特定には至らなかったが、得られたクローンを混合してポリクローナルに使用することで、予後不良のMDS検体のみに染まる免疫染色法を構築することができた。今後は、予後不良因子の同定に力を注ぐ予定である。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Expression of multidrug resistance 1 gene in B-cell lymphomas: association with follicular dendritic cells.2013
Author(s)
Yagi K, Yamamoto K, Umeda S, Abe S, Suzuki S, Oonisi I, Kirimura S, Fukayama M, Arai A, Kitagawa M, Kurata M
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Journal Title
Histopathology
Volume: 62(3)
Pages: 414-20
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