2013 Fiscal Year Annual Research Report
スポロゾイト特異的ロプトリー蛋白質欠損原虫作出によるマラリアの宿主侵入機構の解析
Project/Area Number |
23790459
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
徳永 順士 愛媛大学, 総合科学研究支援センター, 技術員 (30596151)
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Keywords | マラリア原虫 / スポロゾイト / ロプトリー |
Research Abstract |
本研究はスポロゾイトのロプトリー分子を同定しその機能を解析することを目的としており、これまでにスポロゾイトのロプトリーに局在する分子を8個同定することに成功している。昨年度からは我々のグループで開発しているスポロゾイト期特異的に遺伝子発現を抑制する遺伝子組換え原虫(以下cKD原虫)作製法を用いて、これらの分子の機能解析を試みており、今年度も継続して行った。 cKD原虫の作製は、標的分子のプロモーター領域を赤血球期には遺伝子発現し、スポロゾイト期には発現しない発現プロファイルを持つ遺伝子のプロモーター領域に置換することにより行った。昨年度はトランスクリプトームデータベースから、該当する発現プロファイルを持つ候補遺伝子を1つ選択し、標的分子のプロモーターを選択した候補遺伝子のものと置換したcKD原虫を作製した。作製したcKD原虫の赤血球期・スポロゾイト期における遺伝子発現及びタンパク質発現を解析した結果、スポロゾイト期で一定の発現抑制効果は認められたが、十分な抑制ではなかった。 今年度は、より効果的な発現抑制を達成するために、プロモーターを置換する候補分子の再検討を行った。トランスクリプトームデータベースから更に12個の分子を選択し、まずはRT-PCRで遺伝子発現プロファイルを検証した。その結果、昨年度用いた候補分子は非常に低レベルではあるがスポロゾイト期においても転写している事が明らかとなった。新たに追加した12個の候補分子の内、スポロゾイト期で転写が認められない3個の分子を新たに見いだした。 これらの候補分子のプロモーター領域を標的分子のプロモーター領域と置換したcKD原虫を作製し、赤血球期・スポロゾイト期における遺伝子発現・タンパク質発現を解析した。その結果、1つの候補分子で効果的なスポロゾイト期特異的な発現抑制が認められ、cKD原虫を用いた機能解析の準備が整った。
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