2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23790489
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
宇田 晶彦 国立感染症研究所, 獣医科学部, 主任研究官 (80392322)
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Keywords | Francisella / Pathogen / 人獣共通感染症 / 感染症 / 病原因子 / 病原性 / 野兎病 |
Research Abstract |
本申請では、動物に対する野兎病菌の極めて高い感染性や病原性と、野兎病菌PdpCタンパク質の関係について検討を行う事を目的とした。昨年度までに、(1) 強毒性野兎病菌SCHU P9株のpdpC遺伝子を欠損させたΔpdpC株では、マクロファージにおける生育効率が1/10に悪化し、マウスに対する病原性が完全に消失していた。一方で、弱毒性野兎病菌やΔpdpC株に、全長をコードするpdpC遺伝子を相補すると病原性が復帰し、これらの相補株を接種したマウスは全て死亡した。この事から、野兎病菌PdpCタンパク質は病原因子である事を明らかとなった。(2) 野兎病菌PdpCタンパク質の病原性を担う領域はC末端側にある事を明らかとなった。 最終年度では、(3) 野兎病菌PdpCタンパク質が病原性を発揮するためには、C末端側の1303、1309、1324番目の塩基性アミノ酸(リシン)が重要である可能性を示した。(4) 野兎病菌PdpCタンパク質は、核酸結合性タンパク質である可能性が示した。(5) 弱毒性および強毒性野兎病菌接種したマクロファージの遺伝子応答を解析を行った結果、遺伝子応答に有意な差があり、強毒性野兎病菌は免疫関連遺伝子を抑制していることが明らかとなった。 以上の結果より、野兎病菌PdpCタンパク質は、マウスに対する致死性に必須であり、その病原性はC末端側の3つの塩基性アミノ酸(1302、1308、1328番目のリシン残基)に依存し、核酸結合性タンパク質である可能性が示唆された。また、強毒性野兎病菌がマクロファージで効率良く生育する為には、特定の遺伝子を抑制する必要性が示唆された。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Vector-Borne and Zoonotic Diseases2014
Author(s)
Sharma Neekun, Hotta Akitoyo, Yamamoto Yoshie, Uda Akihiko, Fujita Osamu, Mizoguchi Toshio, Shindo Junji, Park Chun-Ho, Kudo Noboru, Hatai Hitoshi, Oyamada Toshifumi, Yamada Akio, Morikawa Shigeru, and Tanabayashi Kiyoshi
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Journal Title
Vector-Borne and Zoonotic Diseases
Volume: 14(4)
Pages: 234-239
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 抗野兎病菌抗体検出用競合ELISAの開発および野生動物血清調査への応用2013
Author(s)
Neekun Sharma,堀田明豊,棚林清,山本美江,藤田修,宇田晶彦,溝口俊夫,進藤順治,朴天鎬,畑井仁,工藤上, ,山田敏文,山田章雄,森川茂
Organizer
第156回日本獣医学会学術集会
Place of Presentation
岐阜
Year and Date
20130900