2013 Fiscal Year Annual Research Report
ラッサウイルスに対する非増殖型の新規組換えウイルスワクチンの開発
Project/Area Number |
23790516
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
伊藤 睦代 (高山 睦代) 国立感染症研究所, その他部局等, 主任研究官 (70392313)
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Keywords | ウイルスベクター / ワクチン / アレナウイルス感染症 |
Research Abstract |
【研究目的】致死的な出血熱であるラッサ熱にはいまだ有効なワクチンがない.さらにその感染防御には液性免疫ではなく細胞性免疫が非常に重要である事が分かっている.そこで,本研究ではラッサウイルスの感染防御ワクチンとして,非増殖性狂犬病ウイルスベクターが有効な手段となりうるかについて,リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)のモデル系を用いて個体レベルの解析を行うことを目的とする. 【研究実施計画】本研究は当初2年間を予定していたが進行に遅れが出たため,3年間に変更した.本年度は実験5:感染防御試験,実験6:末梢血を用いた細胞性免疫反応の解析および有効性の解析を行う予定であった. 【研究成果】実験5についてマウスへの接種を行うため,高力価ウイルスストックの作製を行った.P遺伝子欠損非増殖性狂犬病ウイルスベクターにLCMVのGPCを挿入した⊿P-GPCウイルスおよびemptyの⊿Pウイルス液を大量に調整し,濃縮・精製を行い,両ウイルスの精製ウイルス液を得た.次にLCMVの強毒株であるWE株を用いてマウスでの感染防御試験を行った.5週齢のC57BL/6jマウスに⊿P-GPCまたは陰性対照として⊿P を1週間間隔で2回筋肉内または腹腔内接種し,その1週間後に致死量の強毒のWE株を脳内接種した.筋肉内接種した群では,⊿P接種群が全頭死亡したのに対し,⊿P-GPC接種群は5匹中4匹が生残した.腹腔内接種群においては,⊿P接種群では,3匹中1匹のみが生残したのに対して,⊿P-GPC接種群は5匹中4匹が生残した.どちらにおいても約80 %の防御効果が確認できた.実験6については期間内に実験を終えることが出来なかった.
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Research Products
(3 results)