2012 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子の表面電荷と嗅神経を介した脳への移行量との関係
Project/Area Number |
23790659
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松井 康人 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (50533501)
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Keywords | ナノ粒子 / 細胞侵入 / ゼータ電位 / 表面修飾 |
Research Abstract |
表面修飾の異なる3種の蛍光ナノ粒子(Carboxyl Quantum Dots、Amino Quantum Dots、Non-targeted Quantum Dots)の懸濁液を肺胞上皮細胞(A549)に曝露させ、共焦点レーザー顕微鏡での観察と、フローサイトメーターを用いた細胞数の定量を試み、表面修飾・ゼータ電位および、曝露時間の違いによる粒子の細胞への取り込みやすさを検討した。 曝露時間は、それぞれ30分間、1時間、24時間とし、PBSによる洗浄を3回繰り返すことで細胞表面に付着した粒子を洗浄し、これを観察および定量した。また、粒子懸濁液を曝露していない細胞も同様にして回収した。自家蛍光の最大値を超える蛍光強度を示した細胞を、粒子を取り込んだ細胞と判断し観察した。フローサイトメーターを用いた計数では、全細胞数の何%が粒子を取り込んだのかをそれぞれ比較した。 その結果、いずれの粒子においても曝露時間が経過するほど、取り込む細胞数は増加する傾向にあった。表面修飾については、カルボキシル修飾が最も取り込まれ、曝露から30分後には78.75%、1時間後には83.95%、24時間後には95.03%とほとんどの細胞が取り込んでいることがわかった。アミノ修飾は、曝露から30分後、1時間後まではほとんど取り込まれていなかったが、24時間後には77.79%とかなりの増加が観察できた。無修飾は、最も取り込まれにくく24時間後でも2.17%しか取り込まなかった。さらに、アミノ修飾粒子のゼータ電位を変化させることで、同一表面修飾粒子における取り込みやすさを確認した結果、電位が-3.30 mVの粒子においては全細胞数に対して0.45 %、-1.89 mVである粒子懸濁液においては0.08 %であった。同一表面修飾においても、より負に帯電した粒子の方が5倍以上、粒子を取り込むことが確認できた。
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Research Products
(3 results)