2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト型抗体を利用したインフルエンザウイルス感染予防に関する研究
Project/Area Number |
23790660
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
安木 真世 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (40589008)
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Keywords | インフルエンザウイルス / ヒト型抗体 |
Research Abstract |
インフルエンザ(Flu)ワクチン接種者または感染患者の末梢血単核球から、10個の広域中和抗体(抗A:7個、抗B:3個)と10個の狭域中和抗体(抗H1:4個、抗H3:3個、抗2009H1pdm:3個)を含む計47個の抗Fluヒト型抗体産生ハイブリドーマを樹立した。抗B抗体(5A7、3A2、10C4)を用いた広域中和抗体の研究では①3A2と10C4は2系統あるB型ウイルスのうち山形系統に強い中和能を示し、膜タンパク質HAの受容体結合部位近傍の190helixをエピトープとする②5A7は両系統のウイルスに対し中和能を示す③5A7のエピトープはHAの高保存領域の316G,318C,321Wで新規性がある④5A7はin vivo実験でも中和能を示すことが明らかとなった。5A7はB型Fluに対するペプチドワクチンの候補として有効であると考えられる。一方抗A抗体は2009H1pdmや高病原性鳥Fluを含むグループIウイルスを広域に中和することが確認された。狭域抗体の研究ではHAの抗原決定基Sbを認識する中和抗体5E4を用いて2009H1pdmウイルスの変異を追跡した。2009/10、2010/11の2シーズンに分離された計58ウイルス株に対する5E4の中和能とHAタンパク質のシークエンス解析の結果、2010/11に大阪府下で流行した同ウイルスで宿主選択圧の下Sb基変異株の顕著な増加が確認された。世界的にもSb基は他の抗原決定基に比べ変異頻度が高いことがGenBankの遺伝子情報から判明した。次節流行株はSb基変異株が主流となることが予想されるが、2011年以降大きな流行がないため結論はでておらず今後の追跡調査が必要である。以上の成果は国内外の学術集会で発表された。また学術誌PLoS PATHOGENS(IF=9.1)に掲載され、現在新たな論文を投稿中である。さらに国際特許出願を行った。
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[Journal Article] Human Monoclonal Antibodies Broadly Neutralizing against Influenza B Virus2013
Author(s)
Yasugi M, Kubota-Koketsu R, Yamashita A, Kawashita N, Du A, Sasaki T, Nishimura M, Misaki R, Kuhara M, Boonsathorn N, Fujiyama K, Okuno Y, Nakaya T, Ikuta K
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Journal Title
PLoS PATHOGENS
Volume: 9
Pages: e1003150
DOI
Peer Reviewed
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