2012 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子多型別にみた個別の食事指導による前立腺がん一次予防法の開発
Project/Area Number |
23790668
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
安藤 亮介 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30381867)
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Keywords | 前立腺癌 / 食事 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
「前立腺がん遺伝子多型研究」の対象者については、Short food frequency questionnaire (S-FFQ)の解析と、PPAR-γ遺伝子多型(Pro12Ala: rs1801282、C161T: rs3856806)の分析を終了した。対象者を、病理診断結果から前立腺がん症例(110名)、生検陰性コントロール症例(214名)に分類し、比較・検討した。方法として、S-FFQ から推定した1日あたりの脂肪摂取量の中央値で対象者を2群に分け、各遺伝子多型の前立腺がんへの作用を、脂肪摂取量との相互作用を含めて、オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算出した。前立腺がん症例群-生検陰性コントロール症例群間において、脂肪摂取量に差を認めなかった。遺伝子多型Pro12Alaの分布は両群間で差を認めなかったが、C161Tは前立腺がん症例群で、Tアレル保持者が有意に少なかった(OR: 0.53, 95%CI: 0.31-0.90)。C161T遺伝子多型のTアレルを持ち、脂肪摂取の少ない群で、前立腺がんリスクの低下(OR: 0.32, 95%CI: 0.13-0.79)を認めたが、有意な相互作用までは認めなかった(p for interaction: 0.13)。以上より、PPAR-γ遺伝子多型(C161T)は、前立腺がんリスクの低下と関連していた。PPAR-γ遺伝子多型(C161T)のTアレル保持者に対しては、低脂肪食を指導することにより、前立腺がんの一次予防が期待される。本研究結果については、最終的に前立腺がん症例と生検陰性コントロール症例間でのケースコントロールスタディの形で論文作成を終了し、英文学術雑誌に投稿中である。
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Research Products
(9 results)